2006-04-08

実験経済学と血液型占い 実験経済学と血液型占い - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 実験経済学と血液型占い - Nao_uの日記 実験経済学と血液型占い - Nao_uの日記 のブックマークコメント

経済学の一分野として、「実験経済学」という学問があるらしい。

統計データを解析する従来の経済学と違って、実験室で被験者集団に取引してもらい、その思考の集積からどのような現象が起こるのかを調べる学問だそうだ。

その実験経済学で「サンスポット均衡」と呼ばれる不思議な現象があるようだ。

株式市場では「サンスポット均衡」と呼ばれる不思議な傾向がある。これは太陽の黒点移動と景気の変動がたまたま似たような周期を持つため、太陽の黒点が景気を左右するという理論があることに関係がある。この理論は根本的に間違っているのだが、信じているトレーダーが少数だが存在するために「自己実現的予言」として機能してしまっている例だ。トレーダーには自分の持つ情報を無視して「群れの後追い」をするものも多いため、さらに傾向は強化されてしまう。「テクニカル分析」も似たような存在である。

これを見て、昔、血液型と性格の相関についても同じようなことが起こるのではないか、と考えていたのを思い出した。

人の性格はそんなに単純なものではないので、誰にでも神経質な面もあれば大胆な部分もある。当たっていると信じながら占いの結果をみることで、自分自身の行動や性格が少なからず占いの影響を受けてしまうことがあるのではないか。

仮に血液型が先天的な性格に影響を与えることがなかったとしても、「自分はB型だから、占いどおり、ちょっと自己中心的な傾向があるかもしれない」などといったステレオタイプなラベリングを繰り返しすり込まれて強化学習した結果、B型の人のいくらかが血液占いどおりに「自分は自己中心的な人間だ、そういう血液型なんだからしかたない」と考え始める、なんてこともあるかもしれない。また、上記リンクの「B型」の件に関してもTVなどで繰り返し取り上げられた結果、そのような有意な偏りができてしまった可能性も否定できない。

「血液型が性格に関連する」と判断する人が多ければ多いほど、実際に生物学的な影響が皆無、もしくはごくわずかであったとしても、上記のようなフィードバックを受けることで、血液型占いを信じる人間が一定数以上いる集団には血液型占いどおりの傾向が生まれてしまう、ということも起こりえるのではないかと思う。

誰かこのへんに関して研究している人っていたりしないだろうか?

もしかしたら、たとえ「生物学的には無関係」であっても、血液型信仰が根強い日本では「実験経済学的には有意な相関がある」なんて結論が出たりするのかも。