2005-07-11

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http://www.h-yamaguchi.net/2004/10/post_6.html

おそらく性格のちがいは、血液型のちがいにではなく、「血液型診断に基づいて繰り返しインプットされた、本人の『あるべき性格』に関する情報」に起因している。検査せずに「おまえはO型」と聞かされて育った人が、検査してみたら実はA型だと知り、それ以来性格が変わってしまったという話を聞いたことがある。つっこまれると面倒なのでしつこく書くが、ここでは血液型性格診断が正しいかどうかを議論しているのではない。「仮に」「万が一」血液型性格診断がまったく根拠のない嘘であったとしても、血液型性格診断が正しいと信じられている国に育った人は、血液型性格診断と整合的な性格に育つ傾向を持つ可能性が高いということだ。自分を「そうでありたい自分」に変えてしまうのだ。

以前に似たようなこと*1を考えていたことがあったけれど「血液型 性格 反映」みたいなキーワードで検索してみると同様の話は結構多くあるようだ。まったく根拠のないものからでも実体が発生してくる可能性がある、というのは面白い。

これだけみんなが信じているということはそういうバイアスは確実に存在するだろうし、少なくとも日本国内では「血液型占いを信じる人がいるから暗示的に性格に反映され、性格に反映される傾向があるからさらに信じる人が増える」というような正のフィードバックがかかっている状態にあるのかもしれない。複雑系の中でわずかなノイズを原因として無から有の、明示的な何かしらのパターンが生まれてきているような。

魚の目効果 魚の目効果 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 魚の目効果 - Nao_uの日記 魚の目効果 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

http://www.hiroshi.com/Yoikao.htm

一端、集団の中でコンセンサスがとれた価値基準は、「魚の目効果」によって、永続性を得る。魚の目効果とは

「いったん出来た魚の目は芯を抜くまで消えない」つまり

  • 閾値を越えると、増幅プロセスが働く場において(足の裏において)
  • 一定の閾値越えるきっかけ刺激が、一定量継続すると(靴擦れがおきる靴を履くと)
  • きっかけとなる現象がなくなった後においても、増幅効果によって現象が自立的に継続する(魚の目が出来て、芯を抜くまで消えない)

というものである。

こうして、動物行動学上のシンメトリー理論に端を発した、顔選好性は、コミュニケーション目的での感受性の高まりと、複雑化する決定での簡便な判定法としての「中立要素マークアップ」を通してヒトのパートナー判定基準として定着したものと思われる。

たぶん、ヒトの行動様式の中において、「地位に対するこだわり」や「着飾ること」など一見意味のないこだわりも、中立要素マークアップになっていると思われる。