■ 『『どうぶつの森』にある「アクションゲームとしての達成感」』
もう一つには―――先ほどから書いている「敵が出ないから」という話です。
もっと踏み込んで考えると、「敵が出ない」というのは「敵にやられてゲームオーバーになることがない」ということですし、「ゲームオーバーによるペナルティを受けることがない」ということです。ここが重要。つまり、『どうぶつの森』のアクション要素は「失敗した時のペナルティ」が薄いんです。
たくさんある「敵が出るゲーム」の場合―――
敵にやられてしまうと、「セーブしたところまで戻らされる」とか「ステージの最初に戻らされる」とか「所持金が半額になる」とか「レベルが1になる」といったペナルティを受けるものです。
多くの場合は「積み上げた時間が無駄になってしまう」ので、プレーヤーとしては「敵にやられないようにしよう!」と緊張感を持ってプレイすることになりますし、それがあるからこそ達成感が生まれるという見方も出来ます。
○ 「敵の出ない箱庭ゲーム」
ウチの母なんかを見ると、3D『マリオ』も2D『ゼルダ』も「フィールドを好き勝手に歩き回る」のは好きだったんですよ。でも、敵が出てくると「やられないようにしなきゃ」と身構えて途端に憂鬱になってしまう―――「敵が出ない空間をただ歩いていられるゲームがあったらイイのに」と言っていました。
それって結局『どうぶつの森』ですよね(笑)。
ゴーバケーションを遊んで、広いフィールドを移動するのは面倒なのでさっさと次のミニゲーム開始場所までワープしたい、とか考えてしまってた。探索を楽しめるくらいの心の余裕が欲しい