2010-10-20

体験版がチームの“万能薬”に…鳥山氏らによる『ファイナルファンタジーXIII』事後検証 体験版がチームの“万能薬”に…鳥山氏らによる『ファイナルファンタジーXIII』事後検証 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 体験版がチームの“万能薬”に…鳥山氏らによる『ファイナルファンタジーXIII』事後検証 - Nao_uの日記 体験版がチームの“万能薬”に…鳥山氏らによる『ファイナルファンタジーXIII』事後検証 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

  • デモを通じてビジョンの共有へ

開発の後期に至ってさえ、我々はゲームのキー・エレメントについて共有できていませんでした。これはまとまりのあるビジョンの欠如、最終スペックの欠如から生じたものでありましたが、同時に部門ごとのコミュニケーションにも問題を残していました。

この終わりの見えない衝突を克服するきっかけとなったのは、(FFVII: ACCに同梱の)FFXIII体験版の開発プロセスでした。デモの開発は当初のプランには無かったので、それに対応するために全てのスケジュールを調整する必要がありました。ただ、デモの制作がスケジュールにどんな影響を及ぼそうと、その完成は我々が必要としていた万能薬であったという考えに至りました。

実際にプレイされるゲームの具体的なバージョンの制作により、内部の議論は抽象的なものから、より具体的なものへと移行。デモは、ゲームの方向性におけるビジョンと理解を開発チーム全体で統一しただけでなく、初めてこれまでの仕事がゲームの中でどう機能するのか、正確に見ることができるものでした。内部のポストモーテムの間に、そのデモにより多くのチームメンバーがFFXIIIのビジョンを認識し受け入れるに至ったのです。

FF12のときにも『開発途中でスタッフのテンションを保つのが大変でした。「RPGはトータルで完成して初めて評価できるもの。途中はつまらなくて当たり前なんだ」と言って励ましましたよ。』みたいな話が出ていたような。ああいった規模の大きいゲームを作るのはほんとに大変そう。

ゲームのデモ版の恩恵 ゲームのデモ版の恩恵 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - ゲームのデモ版の恩恵 - Nao_uの日記 ゲームのデモ版の恩恵 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

これで概ね、納得してもらえたが、実は、ゲームの制作プロセスが3倍くらいに加速したことが一番の利益だった。

まず、公共の場にプレイアブルデモを提供するということは、製品版の雛形を作るに等しい。期限が先にあって、それまでにどこまで作りたいか。実際、それは可能なのか。無理ならどうするか。代案があるのか、あきらめるのか。この段階で、短い期間で仕上げるために、ゲームのコンセプトがかなり明確になった。いや、最小限のことしかできないがために、ならざるを得なかった。

これまで、デモ版って、ゲーム本編の制作を阻害するっぽいイメージがあったけど、ただスケジュールに入れておくだけじゃなくて、最初から、工程の一部として成り立つようにしてあれば、かなり有益なんじゃないかと思った。

もしデモ版がスケジュールに組み込めなかったとしても、開発過程の適切なタイミングで「デモ版と同等のものを作る」ことをチーム全体の目標として、そこに向かって動くのは有効なのかも。

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あとコレは明言していいと思うが、「ゲームは多数決でつくると100%クソゲーになる」意見を言う人は多すぎて困ることは無いが、決める人が多いと100%糞だ。「船頭多くして船山に登った挙句に火山噴火」てのは本当によく発生する