■ 「電線(仮)」とは
- そろそろ「電線(仮)」を語ろうか
「電線(仮)」とは、プレイステーション2と同時に華々しく発表されたタイトルでした。
僕は、少女が電線にハンガーでぶらさがって高速移動するムービーに、ゲームの未来を感じずにはいられませんでした。
物理演算によって、風や、電線のしなりの影響を受ける少女。そして、PS2によってリアルに再現された街並み。
日常の風景が、そこに加えられたゲーム性によってアトラクションになる。それは、ゲームでしか体験できない遊びであり、喜びであったはずでした。
そして、残念ながら「電線(仮)」の開発は中止され、今に至ります。しかし、日常が白昼夢のようにゲームに変わるというコンセプトは、今もなお、その輝きを失っていません。
ああ、懐かしい・・・。PS2の初期発表タイトルのなかで唯一楽しみにしていた「電線(仮)」。短い動画が発表されたのみでそれ以外は全くの謎なゲームだったけれど、電線にハンガーでぶら下がって滑っているシュールな光景は忘れ難い。
「海腹川背」を作った酒井さん*1がプログラムをしていると聞いてものすごく楽しみにしていただけに、開発中止が発表されたときには本当にショックだった。最近、「Radium software*2」の高橋啓治郎さんも「電線(仮)」の制作に関わっていた、ということ知って驚いた。このゲームが中止にならずに完成していたら、いったいどんなゲームになっていたんだろうか。
酒井さんのページにはいくつかデモプログラムが置いてあるけど、こういうセンスの良い人の作ったデモは見てるだけでも気持ちいい。とりあえず、酒井さんの新作に期待したい。
SFC版の「海腹川背」は未だに見ていないエリアが結構たくさんあるので、年に一度くらい無性に遊びたくなる。去年の冬にはステージ15のオーバーハングした壁を超える方法を知ったので久々に新しいエリアに行けたけれど、次の面にいた大量に卵を生むオタマジャクシを倒せずに挫折。何年かかってもいいので、死ぬまでには全ドア制覇したい。
「旬」のほうは借りてやったことしかないので、老後の楽しみのためにも、このゲームも入手不可能になる前に今のうちに確保しておかなければ。
*1:アトリエ鬱:http://www.os.rim.or.jp/~pekochan/
*2:Radium software:http://www.radiumsoftware.com/about.html