■ “よくできたゲーム”と“面白いゲーム”の違いとは?――マリオの父、宮本茂氏の設計哲学
僕はチームの中で「世の中には“よくできたゲーム”と“面白いゲーム”がある」と言っています。僕らは自分たちのノウハウを突っ込めば、よくできたゲームはいつでもどんなものでも作れる。しかし、「それがお客さんにとって面白いゲームであるという保証は全然ない」ということです。だから、例えば『週刊ファミ通』のクロスレビューでゲーム評価がすごく高かったのに売れないものがあるとすると、ゲーム業界の中で生きていると「どうして?」と思うわけです。「評価が高ければ売れるんでしょ」と思っているので。社内でも「人よりよくできたゲームを作れば評価される」と思っている。
ところが、世の中にはゲームなんてどうでもよかったりする人もたくさんいるわけなので、「やっぱりもっと面白いものを作らないといけないよね」ということに視点が移ります。原点に帰って、「インタラクティブ(双方向的)な面白さというのは何なのかな」とかいろいろ考えて、「ハード自体もそんな風に作っていかないと、これからの未来は広がっていかない」と思い始めました。
■ ほぼ日刊イトイ新聞 - 伊丹さんに。
宮本 そうですねぇ。
それで、やっぱり大事なことは
赤字出しちゃダメ、ということです。
糸井 それはダメですね。
宮本 絶対ダメ!
糸井 いいなぁ、この力強さ(笑)。
■ ソフトウェア開発生産性についてのあれやこれや
売上 機能数 生産物
生産性=------*-----*-----
機能数 生産物 工数
(1) (2) (3)
ソフトウェアが持つべき各種の品質要件、保守性、拡張性、性能などなどは機能数に反映出来ないが、単純化のために、機能数で近似している。
この式は、
(1)ある価値(売上)を上げるために、ある機能を提供する
(2)ある機能を実装するために、なんらかの生産物(ソースコード)を作る
(3)生産物を作るために工数を投入する
という活動を表現していることになる。
「生産性 = 売上 / (機能数 * 工数)」「売上 = 単価 * 購入者数」という式より、
企業活動における生産性を最大化するためには、
- 単価を上げる
- 買ってくれる人の数を増やす
- 「単価」もしくは「購入者数」を増やすことのできる機能を追加する
- 機能を追加する際の工数を最小化する
の4つを行う必要がある。
単純に(1)に従って単価を上げてしまうことは、買ってくれる人の数の減少につながるため、簡単に実行するわけにはいかない。(2)は逆もまた然り。また、(4)の「機能を追加する際のコストを最小化する」はすでに誰もが意識してるはず。
そうなると残るのは(3)の『「単価」もしくは「購入者数」を増やすことのできる機能を追加する』という部分。
- いま追加しようとしている機能によって「単価」、もしくは「買ってくれる人の数」の増加に貢献することができるのか?
それは売上げを最大化するために必要とされている、本当に有効な機能なのか。
あまりこういった視点で考えたことはなかった。
ものすごく単純化された話なので囚われすぎると逆効果になることもあるだろうけど、少なくとも何か新しいものを追加する時には一度はそんなことを考てみるのもいいかもしれない。