2006-02-16

[]信頼 信頼 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 信頼 - Nao_uの日記 信頼 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

互いに信頼関係の無い状態で仕事をしていると、当人たちの視点からみればどちらも正しいと思える行動をとっているにもかかわらず、おたがい相手の行為が理不尽に見えてしまうせいで揉め事が起こってしまうことがある。

その場面だけを客観的に見ると「どちらかが一方的に悪い」ということはないのだけど、双方ともに以前に起こった不毛な対立や悪い流れを引きずって「また相手がゴネはじめた」と感じ、感情的になって相手の話をまともに聞こうとしないために、些細な問題であるにもかかわらず意思の疎通がうまく取れなくてさらに話がややこしくなる。

結局のところ外から見ている分には「どっちも悪い」としか言いようのない不毛な出来事ではあるのだけど、大元の信頼関係が崩れてしまっているとどうしようもなくこういうことが起こってしまうのだろうか。

顧客との信頼関係を得るには顧客の不安を解消しなければならない 顧客との信頼関係を得るには顧客の不安を解消しなければならない - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 顧客との信頼関係を得るには顧客の不安を解消しなければならない - Nao_uの日記 顧客との信頼関係を得るには顧客の不安を解消しなければならない - Nao_uの日記 のブックマークコメント

受託のソフトウェア開発プロジェクトにおいて、どうやったら信頼関係が損なわれないか、ということが問題である。顧客も開発側も、わざわざ信頼関係が損なわれるようなことはしないだろう。

わざとやったのではなくて、なんとなく不信感が募り、いつのまにか敵対関係になり、最終的に喧嘩別れして、かかった分の作業コストを払え払わないという話になるのである。

プログラマは、とかく技術的な側面に目が行きがちだが、技術的に難しいかどうかは、顧客側から見るとあんまり関係ない。逆にプログラマから見るとどうでもいいことにこだわったりする。

顧客側には、業務的にその機能は必須だとか、以前作ってもらったシステムではその機能がなくて大変な騒ぎになったとかいう理由で、まずその機能が実装されるのかどうかで頭がいっぱいになってしまう人もいる。

その時に、まず全体を決めてからその後でその機能について議論しましょうと言っても、全体よりその機能の方がその人にとっては大事なので、全体の議論をしていても上の空で集中力が散漫になっているかもしれない。

開発側から見ると、全体から細部を構築して、理路整然とした感じで、顧客と仕様を詰めたいという希望があると思うが、顧客の誰もが似たような脳みその構造を持っているわけではないので、ほとんどの場合、開発側の土俵でいっしょに話をするのは難しいのである。

開発側が顧客は何にもわかってないと思うのであれば、顧客側も開発屋は何もわかってないと思っていることだろう。早い話が、顧客に合わせて話をしないと意味がなくて、顧客がわからないことにOKを求めても、後でもめるだけなので、顧客がわかる評価基準を決める必要があるのである。

ソフトウェアが作れるからソフトウェア開発の仕事をするのでなくて、顧客が満足できるような仕事が出来るからこそソフトウェア開発の仕事をする、というスタイルで望めば、たぶんもめることはないだろうし、納期が遅れてもただで働けとは言われないだろうと思いますよ。

たぶん。



矢を放った後に的を動かしてど真ん中にあてるスキル 矢を放った後に的を動かしてど真ん中にあてるスキル - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 矢を放った後に的を動かしてど真ん中にあてるスキル - Nao_uの日記 矢を放った後に的を動かしてど真ん中にあてるスキル - Nao_uの日記 のブックマークコメント

どれほど技術力があるプログラマでも、目的がはっきりしないものは作れない。どれほど変更に強いプログラムを作ろうと思ったところで、顧客が思いがけないことを突然言うかもしれない。

顧客に全く干渉せずに言われたものをきっちり仕上げればいいのである、という考え方には賛成できないし、疲れるだけだろう。そうではなくて、顧客といい関係を築きつつ、できるだけ、楽に、早く、安く作れる方法を提案して、最終的な成果物をシステム側にある程度よせていくことが大事なのだと思う。

動いている的の真ん中にどうやって矢をあてるのか、というのはスポーツの世界の話であり、ビジネスの世界の話では無い。技術を競っているわけではなく、利益を継続して出していく必要があるのである。

顧客は、的のど真ん中に矢を当てる方法が知りたいのではなくて、矢が真ん中に当たった的がほしいのである。それを勘違いして、「的は動かしてはいけない」とか「的から遠く離れたところから矢を打たないといけない」、と勝手に思っているから苦労するのである。

どんな矢でも当ててみせるという自信のある人は、技術というよりも、人との対話で納得させてみせるということが根拠になっていることが多い。ただ技術だけしかない人には、最終的にどうしたいのかがわからない間は自信もくそもないだろう。

しかし、顧客が信頼するのは前者のタイプであることが多い。最初に契約だけして、後で適当に決めたことについてプログラマが泣くのがいつものパターンだが、信頼感で契約して技術力を生かして的のど真ん中に当てることが出来れば・・と考えると、いつまでも泣いてはいられないだろう。

要は矢を放った後(契約した後)に、的を動かすというのは仕様をある程度コントロールするスキルということだ。コントロールというと顧客を騙してみたいな意味にとられるかもしれないが、騙さずにプロジェクトが失敗するぐらいなら、騙してでも成功させろ、と思う。

デスマーチになってから唸るよりは、ならないように的を動かしてみよう。最初の的と違うところにあるからといって、そんなにかっこ悪いことではないし、顧客も的の場所はそれほど重要だと思ってないことも結構あるのだ。

でも、的を勝手に動かしたら、顧客は不満に思うかもしれない。そこはやはりコミュニケーションが大事ということで。