■ PS2とXBOX360の画像の比較
昨日の感想はPGR3を不当に低く評価してしまっていたようだ。
PS2のGT3とどのくらい違うのか確かめるために画面を切り替えながら比較してみてわかったのだけど、「グランツーリスモの絵はもっと綺麗だった」と勝手に脳内補完してしまっていたようで、比べると明らかに世代の違いがわかる位には差がある。
改めて比較してみると、XBOX360の高解像度の映像を見た後に見るPS2の画面は、解像度不足で眠い画面に感じられる。度の合っていないメガネをかけているような、遠くがぼやけてはっきり見えないような映像。ボケ方もデジタル的。遠くのコーナーの様子が見えにくいのはレースゲームとしては大きな違いで、ハイデフの映像に慣れるともうPS2には戻れないかもしれない。
また、おそらくPS2の映像でも車の質感不足や背景とのギャップは存在しているのだろうけど、画面が粗くてレース中に他の車がはっきりみえないおかげで、その不自然さが気になりにくいだけのようだ。ちょうど、PS1レベルの映像では単純な平行光源だけでも不自然には見えなかったように。高解像度ではっきりと見えるとわずかな粗も目立ちやすくなってしまう。当時はあれほどリアルに見えていたPS2のGTも、結局はいろいろなものを心の目で補完した結果、そのように感じていたに過ぎなかったようだ。
あと、慣れてくると初見ではあれほど不自然にみえたPGR3の映像も、だんだんと違和感を感じないようになってきた。ただ、絵の作りこみやきめ細かな調整はGTに軍配が上がるように思う。開発期間が違うので仕方がないこととは思うけれど背景にしても車の質感にしても全体として自然な絵になるように丁寧な調整がなされている。GT4では高解像度で表示することもできるようなので、そういった比較はそちらでするほうがいいのかもしれない。そうするとGT4のテクスチャ解像度不足が目立つだけかもしれないけど。
それにしても、一番の問題はこれだけの変化があったにもかかわらず、XBOX360の画面だけを見たときに比較無しではそう感じられなかった事だろう。過剰な期待が印象を悪くする。細かい部分まではっきり見えるようになったからには不自然さを感じさせないためにもそれ相応の作りこみが必要になるけれど、それがわずかでも不足すると「リアルさが足りない」という印象となって現れてしまう。
それでも、この方向性で突き進む限りは「次世代機」に過剰に期待してしまう傾向はとめられないし、それを実現するのにどれだけの労力が必要であろうとも、そう求められているのだとしたら期待にこたえないわけにはいかないのだろう。大変だ。まさにレッドオーシャン。
あと、やっぱり見知らぬ街を綺麗に再現されてもあまり嬉しくない。早くGoogle Mapsで行けるとこはどこでも走れる、みたいな日が来ないものか。*1