2005-08-06

[][]接触で消える意欲 接触で消える意欲 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 接触で消える意欲 - Nao_uの日記 接触で消える意欲 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

これについては、パターンゲームか否かも関わっていると思います。

 上手いプレイヤーから学んだテクニックを、目の前の局面でどう活かすかは自分次第でしょうけど、パターンが用意されたゲームになるほど、「このプレイをトレースするのが一番なんじゃないか」と、パズルの解法を先に提示されてしまったような感覚が付きまとってくるはずですから。

http://d.hatena.ne.jp/k_u/20050804より

確かに、正解が完全に一意に決まる音ゲーなどは特にそういう面が大きいのかもしれない。パターンゲームにおいて、ほぼ理論的に最善に見えるものを見てしまうと独自のパターンを作ろうという意欲も削がれやすいし、レベルに差があれば一層その傾向は増す。そもそも最近の先鋭化した攻略が必要なゲームにおいて、独自に高度な攻略パターンを編み出せるような人はごく一部の限られた人だけなのかもしれない。

ある種のゲームには、常軌を逸したやり込みや、天才的なテクニックや発想などによってのみ掘り起こすことが可能な「本当のこと」が、容易にはたどり着けないところに存在している場合がある。

 「本当のこと」には、できることなら自力でたどり着きたいものだ。当然のことだが、他人が発見したり、作り上げたりしたものを教えられるよりも、自分の力で見つけ、作り上げるほうが楽しいに決まっている。

 しかし残念なことに、人に与えられた時間には限りがあるし、能力もまた人それぞれだ。「本当のこと」を自力でつかむのは容易なことではなく、そういった経験を得られるのは限られたプレイヤーなのかもしれない。

http://gameplay.jp/~ext/iroiro/ogm/ogm200301.htmlより

斑鳩を楽しみたいけれど自力でパターンを構築するほどの腕もない」という自分のような半端な人間にとって、かなり早期にWeb上でムービーが公開されたことはとてもありがたかった。とりあえず自分でもなんとか安定する部分だけでもパターンを取り入れ、自力だけではとても到達できなかったであろう領域(というほど大げさなものでもないけど)を楽しむことができた。それでも結局1コインクリアさえできなかったけど。まぁ、とりあえず楽しめたので良しとしておく。

そんな猿真似以下のパターンでさえ、周りのこのゲームをプレイしない人間(っていうかプレイしてたのはほとんど自分だけだ)から「難しそう」「自分には無理」と敬遠された。一部のやる気のある人間にとってはそういうスーパープレイも糧になることも多いだろうけど、そうでない普通の人からみると常識を超えた自分とは関係のない世界の出来事に見えることもあるように思う。まぁ、そもそもそういう人はスーパープレイそのものを見ることがないから、これはちょっと別の話になるのかもしれないけれど、昔に比べると順序良くレベルアップしていける環境が少なくなってしまったのは間違いないと思う。


イチローにあこがれて野球を始めた」「Jリーグの選手にあこがれてサッカーを始めた」みたいにスポーツなどの分野においてはこういう憧れが原動力になることが多いのに、ゲームの世界ではなかなかそうならないのは何故だろう?競技人口の差?他にもいろいろ要因はあるだろうけど、賞味期限が限られているゲームにおいて、昔に比べてかなり早い時期に攻略レベルが上がりすぎてしまう傾向も、ピラミッドの底辺が広がらずに細くて縦長になってしまう要因の一つだろうと思う。

非常に大雑把で乱暴な話になるけど、「コアな人がより楽しめるようにしていった結果の新規参入者の減少と全体の縮小」「開発費の高騰と売り上げ単価の据え置き」「市場の縮小と硬直化によって意欲的な新作が出にくくなり、ジャンルに勢いがなくなる」など、アーケードで縦STGが辿った道と同じ道を格ゲーが歩み、アーケードのビデオゲーム全体が辿っているような道を家庭用ゲームも辿っているし、おそらく数年の間をおいて今の国内市場と同じような問題を北米市場も抱えるようになるのではないかと思っている。

ちょっと乱暴すぎる考え方かもしれないが、ネットの普及とそれに伴う情報流通や陳腐化の加速は、そんな傾向を底辺から押し進める力のうちの一つだったりしないかな、とか思ったりもすることもある。ここまで話を広げすぎるとそれ以外の要因のほうがはるかに大きいだろうけど。