0013-09-08

風立ちぬを見て 風立ちぬを見て - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 風立ちぬを見て - Nao_uの日記 風立ちぬを見て - Nao_uの日記 のブックマークコメント

零戦は馬力の足りないエンジンで高レベルの運動性・航続力を実現するためにパラメータを極振りして防御を捨てた結果、美しく実用的ではあるもの機体強度と生存性に大きな弱点を抱えていて、高レベルでバランスが取れているがためにそれを改良することも難しい機体になってたらしい

パラメータ極振りは持たざるものが互角以上に戦おうとする際の唯一の選択肢で、限られたリソースの中で何かを捨てる代わりにどこかに卓越する部分を作り、それを最大限生かせる状況に持ち込んで勝負するのはある種正しいやり方であるようには思う。そんなやり方が通用するのは奇襲的な状況に限るけど

まだやり方が固まっていない状況下で相手が想定していない戦域で戦う際には、不完全であってもなにか一つでも目立つ特長がある方が戦いやすい。でも一旦戦場が確定されて総力戦が始まると、その特長とともに切り捨てた弱点も同時に分析され、総合力の上回る相手の対抗策に対応できなくなる日がいずれ来る

そうなる前にまた違う方向にパラメータを振り直して新しい状況を作れるならそれに越した事はないのだろうけど、もともと極振りは持たざるものが相手が準備してないタイミングで無理してやる事だから、一旦戦争が始まってしまうとそう簡単には新しく振り直すような余裕は得づらく、ジリ貧になりやすい

結局は「馬力の高いエンジンが作れない」「オクタン価の高いガソリンが用意できない」「そもそも生産が間に合わず、燃料も供給されない」みたいな根本的な部分がボトルネックになるなら総力戦を始めてしまった事自体が間違いで、初手の優勢なうちに勝負の土俵を変える以外に打てる手はなさそう

昔遊んでたKingdom Conquestでも開始当初のセオリーが固まってない頃には低課金の少ない戦力でもパラメータ極振りの特性を生かして想定外の方向から奇襲したり、相手の未熟につけ込んだ奇策で攻める事で不利を覆したりできたものの、

時間が経って互いに総力戦が必須になった頃には、本質的に低性能なユニットでは戦闘経験も豊富で時間と資金を無尽蔵に突っ込める相手には対抗できなくなった。それまでは必勝戦術だった裏から回り込んで敵本陣を一気に目指す奇襲を読まれて、強力なユニットに待ち伏せされて失敗した時には本当に焦った

戦闘経験の少ない相手から見るとそんな速さで攻めてくるとは思っていないタイミングで進撃できていたから成功していた奇襲も、準備段階の初動を見切られると待ち伏せされる。それまでは失敗なく連戦連勝の戦法だったので、まさかこの早さに対応してくる相手がいるとは思ってなかった、という油断もあった

序盤であれば簡単には埋めづらい練度の差と、その練度を生かせる特徴的な兵器や戦術を工夫して有利に戦う事もできるものの、互いの練度が上がってセオリーが固まってくると奇策は通じなくなり、極振りでもかなわない本質的な兵器の性能差や兵站の差が出てくると、長期的には対抗できなくなっていく

こういうのは序盤の最適解がみつかっておらず、みんなどうして良いかわからなくてあれこれ模索する時期が一番楽しい。充実したWikiが出来て有利な編成や戦術が固まってくると奇策の余地が減り、それを丁寧になぞって拡張するのが最適解みたいになるので資金や時間を無尽蔵につぎ込む力技的な勝負になりがち