2012-08-18

[][]『航空雷撃戦 Ver0.1』 『航空雷撃戦 Ver0.1』 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『航空雷撃戦 Ver0.1』 - Nao_uの日記 『航空雷撃戦 Ver0.1』 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

Unityで魚雷で空母を攻撃するフライトシミュレータもどきを作ってみた。上記リンクから、ブラウザで動作可能。

(要Unity Web Player)

航空魚雷の性質上、ある程度離れたところから撃たないといけないため、相手が動いてると命中させるのが難しい。リトライすることで編隊の機数が増えて、一応爆撃もできる。

画面右下の小さい枠内には魚雷視点の映像が映っていて、魚雷は着水後にしばらく水面下を深く潜るため、一時的に姿が見えなくなった後、航跡を残しながら目標に向かう。


航空雷撃ってどのくらい難しいのかを試してみたくなったので作ってみた。フライトシミュレータとしてはかなり適当な挙動だけど、一応は敵艦が約30ノットで魚雷は40ノット、航空機の速度は時速350km/hと、それぞれの速度比は実際のものにだいたい合わせてみた。

敵艦に近づいてしまうと猛烈な対空砲火が待っているため、普段は距離800〜1000mで発射した後に、敵艦前方に退避するらしい。実際、距離1000mだとまだまだ船とは大きく離れているため、移動目標の先を読んで当てるのはかなり難しい。

真珠湾攻撃のときは湾の水深が浅いため、距離300m高度5mからの雷撃だったそうで。ちょっと危険を感じるくらいの低高度ではあるものの、こちらは奇襲なので停止目標な上に相手からの反撃も非常に少ないので、命中率はかなり高そう。



当時の回顧録を読んでいると「見事な操船で左右に上手く舵を切って、魚雷を回避した」みたいな記述がよく出てきて、船って相当に鈍重な印象があるので、あんなものを見てから避けられるのか?という疑問があったんだけど、実際の速度比で動くものを作ってみて、納得した。

まず、魚雷の水中での速度は意外と遅く、直線的に動いてる敵艦を狙うだけでもかなり難しい。また、魚雷発射時にはかなりの時間まっすぐに飛ばないといけないうえに、発射後に命中まで数十秒から分単位の時間があるので、熟練した艦長であれば雷撃機の軌道や魚雷の航跡をみてうまく左右に舵を切って回避する余地は十分にありそう。

軍艦でも速度の速いものは全力航行すると30ノットを超える速度が出て、時速に直すと60km/hくらいになるので、想像してたよりはずっと速い。20ノット前後しか出ない鈍足艦と最高速が35ノットを超える高速艦では、爆撃や魚雷相手の回避能力もかなり違ってくるんじゃないか、と思った。

魚雷の必中射法について 魚雷の必中射法について - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 魚雷の必中射法について - Nao_uの日記 魚雷の必中射法について - Nao_uの日記 のブックマークコメント

http://bahia.gozaru.jp/topics/troops.html

上記リンクのように、左右どちらに回避されても命中させるための「必中射法」というものがあるらしい。

編隊を組んで敵艦の推定速度から軌跡を予測しつつ、避けられない位置に向かって魚雷を発射するのには、相当な訓練が必要そう。

実際には安定して魚雷を発射するためには射撃位置に向かって水平飛行しないといけないのに、敵戦闘機の妨害や対空砲火が加わり、目標の空母側も回避行動を取るうえに輪形陣で駆逐艦や戦艦が周りを囲んでてVT信管で撃ってきたりなんかするので、かなり無理ゲー感が。

「昼間雷撃を3回やった奴なんかいない(皆戦死しているから )」というのも納得。

真珠湾攻撃に参加した飛龍の雷撃機の搭乗員の回顧録によると、選抜された能力の高いパイロットが一年二ヶ月くらい厳しい訓練を積んで、その後に中国戦線での実戦も経験していたため、その練度は当時世界でもトップクラスだったようで。

そんな熟練した搭乗員でも敵艦隊に戦闘機の直援がいるとなす術もなく撃墜されるしかなく、侵入軌道も水平な直線に固定されるために、敵の対空砲火が当たるか当たらないかもほとんど運以外の何者でもない。

損耗した熟練パイロットの補充なんて一朝一夕にできるものではないので、装甲のある敵艦を撃沈する方法が航空雷撃以外にはないとはいえ、恐ろしいくらいにハイリスクハイリターンな行為だな、と思った。

今回のシミュレーターで数機単位の編隊で回避しづらい形に魚雷を発射した後に、そのリプレイを相手に今度は艦隊側の視点で機銃を撃って迎撃してみたり、空母を自分で操作して魚雷への回避行動を取ったりできると面白いかも。

また、敵艦の配置もできれば停止目標に対する雷撃からはじまって、15ノットの巡航速度で移動する駆逐艦、30ノットで対空砲火してくる巡洋艦、輪形陣で護衛の艦隊に守られて回避運動する空母、とチュートリアル的に難度がステップアップしていくような作りにしたかったけど、今回は時間の都合でこの形に。せっかくなので暇があったら少しづつバージョンアップしていきたい。

あと、Oculusにも対応できたら面白そう。

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「91式航空魚雷:2万円」

「当時の2万円は現在の1億円に相当し、今なら対艦ミサイル「ハープーン」一本が買える値段」

航空魚雷は爆弾と違って上空数十メートルから時速数百キロで着水しても波浪の中を数Kmも直進できるようにするためのジャイロや、一旦潜ってから調停深度に戻って維持するために上下に舵を取る機構などの高度な技術の塊らしいので、想像以上に高価。

なのに命中させるのは非常に難しいので、この値段だと一発撃つのも相当なプレッシャーだろうなぁ…