0013-09-10

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零戦の遺産 堀越次郎

p53

飛行機の中でも特に戦闘機の性能を支配する発動機の馬力が、いつも相手より2割から3割小さいという条件が日本にはつきまとう。

こういう宿命を負った上で、航空機と限らずおよそ兵器の性能でで先進国と張り合っていくつもりなら、当事者は頭を大いに柔軟にしてかからなければならない。

設計者の立場で言うと、まず設計のテクニックと規格に頭を使う余地がある。大抵の人はこの二つは与えられたものだとして、固定化、神格化して考える癖がある。

私は現在のテクニックや規格がどうして出来たかを考えると、数学の定理などと違って、科学、技術の進歩とともに変わっていくのが当然だと思った。

テクニックや規格は設計をしばるものではなくて、設計の道具として使いこなすのが、設計者の務めであると考えた。

飛行機の設計ってなにを目安にどこからどう決めて行くものなのか全く見当もつかなかったけれど、その一片くらいの雰囲気はなんとなく感じ取れたように思う。

過去の膨大な積み重ねと戦訓をベースに、要求仕様を満たすことができるような構造を時に大胆に新しい試みを加えながら組み立てていく。

構造とそれがどのように作用するのかに対する深い知識と経験を基に、あるべき姿を目指す。