2012-02-19

コナミアンティークス MSXコレクション Vol.1』 『コナミアンティークス MSXコレクション Vol.1』 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『コナミアンティークス MSXコレクション Vol.1』 - Nao_uの日記 『コナミアンティークス MSXコレクション Vol.1』 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

MSX時代のコナミでゲームを作っていた人たちの証言集。こういう時代の話をもっと聞きたい

知ってる人は知っていると思いますが、MSXではスプライトが1ラインに4枚しか表示できません。ところがこのゲームはいきなり敵が6個も真横から飛んできます。自機、弾も合わせると10個は横に並びます。

普通なら開発をあきらめるところかもしれませんが、自機の弾、レーザー、敵の一部はキャラクタを描き替えながら表示することにしました。背景を使うと8ドット単位でしか動かせませんが、速い動きをするものなら大丈夫です

しかし実際には、元々の背景を待避→弾やレーザーを描く→背景を戻す、とやっかいなので、ここでC-OBJ(Character-OBJect)という概念を作リました。これは弾やレーザーを、スプライトを使う時のように画面座標だけを指定すれば自動的に背景に描き込まれるというシステムです

おかげでメインプログラマ以外のプログラマは、背景を一度描いてからまた戻すという煩わしさから解放されました。そしてこのシステムがコナミMSXシューティングゲームの標準システムになりました


他にも興味深い話がたくさん。『けっきょく南極大冒険』が元は教育ソフトだった、と言う話は昔MSXマガジンかなにかで読んだ記憶があったけど、そのあたりの経緯もおもしろい

MSXへの参入当時、会社からは教育ソフトを開発しなさいとの指示を受けました。ところが言うことを開かない我々スタッフは、教育に関するノウハウがあるわけでもないから難しいという結論に達し、そこで考えたのが I LOVEシリーズだった

I LOVEシリーズには、「わんぱくアスレチック」(I LOVE 体育)、「けっきょく南極大冒険」(I LOVE 地理)、「ぽんぽこパン」(I LOVE 社会)、「ハイパースポーツ」(I LOVE 理科)、「モン太くんのいち・に・さんすう」(I LOVE 算数)などがある

ソフトをプレイしている時に学ぶのではなく、学ぶべき知識や情報があのゲームで同じようなことがあったなと気付いてくれる、または自然に覚えるソフトにしようということになり、開発を始めたのでした

ハイパースポーツは「ハイパーオリンピック」が流行っていた当時、ハイパーシリーズの1つとして開発したゲームです。このシリーズはなんと、I LOVE 理科という教育ソフトシリーズとして開発がスタートしました

テーマはバネで、飛び板、トランポリンなどを通してバネについて勉強してもらおうという無謀な企てでした。開発が進むにつれてだんだんと勉強の要素が無くなって、気が付くといつの間にかスポーツゲームになってました