2006-08-09

足さずに作ること 足さずに作ること - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 足さずに作ること - Nao_uの日記 足さずに作ること - Nao_uの日記 のブックマークコメント

モノを作っていて1番怖いのは、途中で何を作ってるのか分からなくなることだと思うのです。特に、大人数の共同作業で作っている時は要注意でしょう。たった1人の認識がズレてるだけで、その人の担当部分が綻びとなり、統一感を損ねてしまったり、評価を落とす原因になりかねません。

世の中の殆どの作品は、1人の人間によって作られます。人手がかかる作品も、その多くは、1人のクリエイターと、その手足となって手伝うアシスタントの集団によって作られているので、実質的には1人の人間によって作られていると考えて良いでしょう。クリエイターは、アシスタントの作業技能も持っていて、作業規模の問題がなければ1人で作れてしまうので、実質的には1人の作品だということです。


共同作業の場合、自分にない技能を持つ人と組んでいるのですから、互いに相手の職域に踏み込むことは容易ではありません。そもそも、そんなヒマもありません。それぞれが自分の職域で、言わば独立した作業を行うことになりますが、それを持ち寄った時、互いの部品がすっぽりと嵌るためには、何が必要でしょう。

私は、単純明快なコンセプトが必要だと考えています。


コンセプトが単純明快ならば、作業中に現れる様々な選択肢について、何を選べばよいか、自ずと決まります。選択を間違うことは少なくなるでしょう。コンセプトを共有して、それぞれのSTAFFが同じ指針に則って作業すれば、それぞれの作業成果に統一感が出てくるはずです。

コアとなる単純明快なコンセプトに基づいて、戦闘システムも、キャラクターのデザインラインも、メモリの使用配分も、自ずと決まっていきます。膨らませるのではなく、必然的に膨らんでいくのです。コンセプトがこうだから、ここ部分はこうだよね、と決めていけるのです。

これは、いわゆる、足し算のゲーム作りとは異なります。次元拡張、べき乗のゲーム作りです。