2006-08-10

アニメとかロケットに限った話でもなく アニメとかロケットに限った話でもなく - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - アニメとかロケットに限った話でもなく - Nao_uの日記 アニメとかロケットに限った話でもなく - Nao_uの日記 のブックマークコメント

ファミコンとか8bit国産パソコンの頃は数ヶ月で1本、アーケードでもつい最近まで格闘ゲームの続編なんかは3ヶ月で1本なんて当たり前だった。

そんな状況だと先輩がイッパイイッパイだったときには後輩にも活躍の機会が与えられることもあって、貪欲な人であれば実践で痛い目見ながら勉強することができた。優秀な人であれば数作の経験で3年もあればいっぱしのリーダーやディレクターになるのも難しくなかった。

そういった時代にリーダーシップを取ってきた人たちが今も業界の顔になってるのを考えれば、若い人が育ってないのもなんとなく理解してもらいやすいのではないかと思う。


ロケットとアニメの話やゲド戦記に端を発したジブリの後継者問題を眺めながら、ゲーム業界で言えばその最たるモデルケースであるPS3陣営、とその筆頭であるスクウェアエニックス(結局FF4ぐらいからの人が延々と支えている)や小島プロダクション(No replace HIDEO)が今後どのようになっていくのか非常に興味があるし、どれほどの体力維持が可能なのか最期まで見届けてみたい、と思った。


一つのものを作るためのスパンが長くなってきたために、人が育ちにくい環境になりつつあるのは確かだと思う。経験値は時間だけでなく、ある程度までは終わらせたプロジェクトの本数に影響される部分も大きいだろうから、開発サイクルが長くなればなるほど人は育ちにくくなる。それこそ64版のMOTHER3みたいに、五年作ってそのまま開発中止、みたいな状況のチームに新卒で入ったりするとその後は大変だろう。

そういえば以前に、「ゲームの神」と呼ばれるようなゲームデザイナーが近年あたらしく登場しないのはなぜか*1、などという話も出ていた。いろいろ要因として考えられることはあるだろうけど、開発の大規模化・長期化によって野心的な実験作が作りにくい環境も原因の一つだろうな、とは思う。

あと、学生のころに、日本のロケット開発に黎明期からかかわっていた人の講演を聞いたことがある。その講演の中で、近年打ち上げ失敗事故が多発している原因として、「複雑化が進んでそれぞれのメンバーが専門分野の中に閉じこもるようになってしまったため、分野間を横断して全体を見られる人がいなくなった」というような話があった。

黎明期のころにはプロジェクトに関わる人数も少なかったので、自分の専門外の事であっても手や口を出さないわけにはいかない、というケースが多かったそうだ。

しかし、最近では全体の規模が大きくなってしまったために、個々の技術者が専門家として高度なことをできるようになった反面、それぞれが自分の専門分野の事しか理解できていないために、他セクションとの連携部分での問題が起こりやすくなったり、横断的にプロジェクト全体を見てバランスよく問題を発見できるような人材が減ってしまったのが原因ではないか、という話だった。

チームを組んでプロジェクトを進めるような体制の組織では、規模が大きくなるとどんな分野であれ似たような問題が起こってくるものなのかもしれない。

*1:ゲームの神はどこへ行ったのか?:http://www.stack-style.org/2006-06-21-06.html