■ [開発][プログラミング]プログラマの領分
尊敬するKuniさんからトラックバックを頂いた。元記事を読み返してみるとあまり考えなしに疑問だけを投げっぱなしていた状態で申し訳ないので、もう少しだけ自分の思うことをまとめてみたい。
SEの居ない世界だけに、企画職と相互補完しつつゲームシステム全体を見渡せる能力が、全員にではないにしても必要と思うのですよ。
もちろん現場が効率化されるごと、そのような前時代的ケースは減ってゆくのでしょうけど、ゲームという感覚的なものを扱っている以上、抽象的な仕様のままプログラマに委ねられる状況はゼロにはならないのではないかと。新しいものを作ろうとした場合は特に。
今後はハードウェアの高度化に伴って、アプリケーションとライブラリの区別がよりはっきりしてくるのだろう。
どちらかというとライブラリを作る仕事の方がソフトウェア工学的により高度な設計技法や技術を求められる傾向があり、これからはそのライブラリ部分のみを担当して、ゲーム部分を触ることのないプログラマの数もどんどん増えていくのだろう。
それこそRenderWare Studio*1みたいにプログラマは要求されるシステムだけ作ってあとはゲームデザイナーとか呼ばれる人に全て丸投げ、というようなスタイルの制作体制もある意味効率的なのかもしれない。
それでもどこかに「前時代的な」作業は必要だろうし、少なくとも一人でゲームを作ったことのある人間にとっては、そのような作業こそが「ゲームを作る」という行為の根本的な部分であるように感じている人も多いのではないかと思う。
プログラマには自分自身で面白く感じることを思いつけないことに対して「自分は要求された仕様に関して過不足なく実装した。そのシステムを使って仕様の範囲内でどう面白くゲームを組み立てるのかはプランナーの責任だ」と言い張る権利があるのかもしれない。プランナー側の要求が複雑だったり、技術的に難しく見えるシステムを組みあげたときには特にこの言い分が耳触りよく聞こえることが多い。分業であり効率化であり、職種ごとの明確な責任分担だといえばそういうものなんだろう。
とくに人数の多いチームでゲームを作っているのなら大抵の場合、いつでもプランナーに責任を委譲することが可能だし、そうしたくなることも多々ある。そのような権利?をどう行使するのかは人それぞれなのかもしれない。