2005-06-09

人生の勝組負組は運で決まる 人生の勝組負組は運で決まる - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 人生の勝組負組は運で決まる - Nao_uの日記 人生の勝組負組は運で決まる - Nao_uの日記 のブックマークコメント

ここに、さいころがある。

このさいころは、あなたの人生である。

さいころをふって偶数が出ればラッキー、1ポイント。

奇数が出ればアンラッキー、-1ポイント。

そして、折れ線グラフを描いていく。

人生には何が起こるかわからない。

ほとんどのひとは、最初のスタートが0であるなら、0ラインに絡むようにぎざぎざした水平線を描くと信じている。

ところが実際はそうではないのだ。

実際に、さいころで実験をしてみればあきらかになるが、かなりの確率で(90%)、一度0ラインを突破した線は2度と0ラインにタッチすることはないのである。


この話の核心はここだ。

ひとは、平等という言葉を完全にはき違えている。

平等とは、誰でも勝組負組どちらかへいく可能性がある、という点で平等なのであって、勝組から負組へ転落する可能性は10%程度に過ぎず、その可能性は等しく同じだという点で平等なのである。

ほんとうに、世の中が権力や金や才能に左右されず、すべての人が等しく平等で、運によってのみ人生が決定されてくるとしたとしても、歴然と勝組負組が存在し、その立場は容易に逆転できないのだ。

完全に勝ち負けが完全にランダムな状況ですらこのような結果になる。

ここにさらに投資の要素を導入したとする。投資効率が1.0をわずかでも上回る状態なら、ある程度の元手さえあれば元手が0になる前にたいてい手持ちの資産は増加する。そのため、手持ちの資産が多ければ多いほどさらに資産が増えていくことになる。逆に元手が少なすぎると資産が増える前に手持ちの資金が尽きてしまう場合が多くなる。ドラクエのカジノなどは期待値が1.0をわずかに上回るように調整されているようなので、このような効果が分かりやすい。

上記のような投資の要素を導入すると、勝ち組と負け組の差はさらにはっきりする。ごく少数の勝った人間はさらに資産が増加し、大多数の勝てない人間は資産を増やすことができない。その結果、資産のほとんどが少数の人間に集中し、大多数の人間はほとんど資産を持てない。分布図は綺麗な冪乗則に従う。*1

実際にはさらに多数回の勝負や投資を行った人間は経験値によって累積的に勝率が上がっていくうえに勝負の機会自体も増えるだろうから、富める者はさらに富み、貧しいものはチャンスが少ないうえに勝負しても勝てないという悪循環は加速する。さらに、実際の現実では開始時点ですでに環境の差や遺伝的な差によって最初のスタート位置から差がついているため、始まる前から統計的に上に向かうか下に向かうかの傾向が決まってしまっていることも多いはず。

税の導入や自由交換の促進による資源の再配分を行えばこのような貧富の差をいくぶん抑えることもできるだろうけど、これは貯蓄や資産に限った話でなく、単純に保有しているなんらかの資源の多寡のすべてについて言えることであり、この世界は本質的に何もしなければ不平等になるようにできているのだろう。こういう法則と自分のいる位置を踏まえて何をやるべきかってのを考えていかないといけないんだろうな、きっと。