0013-07-13

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再生が重い方はYoutube版をどうぞ。

広視野角のヘッドマウントディスプレイ Oculus RIft と、両手の3D位置認識が可能な コントローラー Razer Hydra を使ったバーチャルリアリティのデモを作ってみた。

Oculus Riftについて

最近いろいろなところで話題になりつつあるOculus RIft。評判通り視界を完全に覆うほどの広い画角で頭の回転にほとんど遅延なく追随してくれるため、これまでのHMDとは桁違いの没入感が得られる。

また、立体視に標準で対応していて、Unityに組み込むだけで簡単に3次元空間に入り込む事ができる。

この広視野角と完全な立体視が合わさった結果、HMDをつけている人には目の前に本当に実寸で物体が存在しているように見える。この凄さは映像だけではどうやっても伝わらないのがとても残念。機会があればぜひ体験していただきたいと思う。

よく指摘される解像度の低さについては、元画像を高解像度でレンダリングしたり、FXAAやMSAAなどでアンチエイリアシングをかけるとほとんど気にならなくなる。液晶画面をレンズで拡大しているためにドットが網戸状に見えてしまう問題はあるにせよ、個人的には没入してしまえばそこまでは気にならない印象。

製品版ではさらに解像度が上がるのでもう少し気になりにくくなるはずではあるものの、たとえ1080pになっても現実と比べると低解像度である事には違いないので、将来的にこの距離でもRatinaで見える日が来る事に期待したい。

Razer Hydraについて

中央の球体からの距離と向きをを磁気センサーで取得する、モーションコントローラー。

親指で操作するアナログスティック(押し込み可能)と、L1・L2ボタンのような人差し指と中指で押し込むトリガーに加えて、スティックの周りに4ボタン+スタートボタン、とボタン周りも充実したコントローラーになってる。

球体からおおむね半径1m以内くらいの範囲であれば、ほぼリアルタイムで遅延や位置の違和感もなく座標が取得できる。距離が離れるとだんだん精度が怪しくなってくるような雰囲気で、基本的には座った位置で手を伸ばす範囲で使う事が想定されている感じ。

初めて見た時には面白いけど実用性には乏しいイロモノ的なコントローラーかと思っていたけれど、Oculusとの相性は最高に良くて、最近急に需要が増えたために現在は国内では入手が困難な状態になっている。ワイヤレスの新型の発売も予定されているらしい。

今回のデモでは、スティックの周りの4ボタンを親指に、L1・L2の2ボタンを人差し指と残りの3本に割り当てて、手の握りを再現している。ちょうど手の形をそのまま再現できるような感じで、違和感なく動かせて楽しい。

親指で押す4ボタンは、それぞれ「直近のオブジェクトを掴む」「ボールを生み出す」「直近のオブジェクトに力を加える」「レーザーを発射」など、ボタン別に役割を変えてあり、4つのボタンを押し分けることでいろいろな動作ができるようになっている。

ただ、視界が覆われた状態で手探りでボタンを押す必要があるので結構押し間違いやすく、よく見ると動画でも間違っボタンを押したために、変なタイミングで巨大エネルギー弾をあらぬ方向に飛ばしてしまっていたりする。一瞬しか見えないので気づきにくいとは思うけど。

Oculusの3D酔いについて

コメントでも指摘されているように、Oculus Riftを使っていると3D酔いしやすいのは確かではあるんだけれど、その酔いの原因はこれまでのHMDとは違っているようにも感じている。

動画を見ている限りでは視界が激しく動くのでものすごく酔いやすいように見えるかもしれないけれど、静止して周りを見回すだけであれば、むしろ自然すぎてほとんど酔わないくらいだったりする。

そうではなく、ジョイスティックなどで体ごと移動して、視点が前後左右に動いた時にはものすごく酔いやすくなる。自分自身の肉体は動いていないのに、リアルな視野だけが突然動き出すのが最初はものすごく違和感があって、すぐに気分が悪くなっていた。

逆に、Kinectで頭の位置が奇麗にトラッキングできているときにはほとんど酔いは感じなかった。むしろ、自分の移動にCGの視界がほぼ完全に追随するのが違和感がなさすぎて気持ち悪いくらいだった。

おそらく、通常のHMDは「頭の動きと見えている画像がずれている」から酔うのに対して、Oculusは「視界は現実とほぼ連動するんだけど、頭が動いていないのに映像だけが移動する」から酔ってしまうのではないか、と思っている。ちょうど車酔いの反対みたいな感覚。

この酔いについては、数日経つとほとんど違和感を感じなくなり、最近は普通に動いているだけであればほとんど酔わなくなった。おそらく、自分がスティックで移動したときにどう動くかが頭の中でシミュレートできるようになって、自分の想定と実際の動きが同期できて脳が混乱しなくなったから、ではないかと思っている。

ただ、ある程度慣れたあとでも「目の前に物体がある時に頭をちょっと動かす」という動作をすると強烈な違和感があって、一気に気分が悪くなる事も。間近の数十センチくらいにある物体をよく見ようと思って頭を前後に動かしても視点は動かないので、視界が想定したものと大幅にずれる事になる。

この問題については、もう一つセンサーを増やして頭の位置をトラッキングできるようになれば回避できてさらに没入感が増すはずなので、Oculusの製品版での実装に期待したい。