2006-09-16

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全体にややチープな作りで背景グラフィックはこの時期のPS2のゲームとしては寂しいが、プレイに集中していると気にならない、というか気にしている余裕などない。どことなく時代に逆行したような作りのゲームではあるものの、個人的には「Sinobi」「ガンヴァルキリー」以来の久々に脳内麻薬が出るような特殊操作の良作アクションだと思う。

技をボタンに振ってコンボを自由に組み立てられるシステムや、敵のガードに対するガード崩しの設定、右スティックで繰り出す無敵時間を持つスウェー&避けなど、操作には幾分の慣れが必要。その分、ゲームシステムやバランスは非常に良く練られている。

前評判どおり難度はかなり高めに設定されていて、その辺のザコ敵ですら、本気でプレイヤーを殺しにかかって来る。ヘタレゲーマーなのでかなり頻繁にゲームオーバーになってしまうのだけど、死亡時までに取得していたお金や技はそのまま引き継がれるために、基本的に死ねば死ぬほどゲームが楽になるという親切設計。リトライ間隔も適切に短く、アイテムや悪魔出現のランダム性もあいまって再挑戦するのがほとんど苦にならない。

敵の配置や動きを見て技のタイミングを見切るなど基本的な攻略を組み立てつつも、相手との位置取りや倒す順番など、繰り返すごとにその場でのアドリブ的な対処も重要になってくるあたりは、バイオハザード4の高難度モードに近いプレイ感覚。初見では「硬すぎて無理」と思うような敵でも対処法や攻撃の組み立てをきちんと考えていくと意外なほどあっさり倒せるようになるなど、リトライを繰り返すごとに、自分が確実に上手くなっているのが実感できるのがとても楽しい。

このゲームの感想としてたまに見かける「敵だけガードできるのが理不尽」などというような寝言はいかにこのゲームをちゃんと遊んでいないか、という証明にしかならないように思う。昔のセガ系ゲームでよくあった、「ゲームシステムの全てを理解して遊んだときに最高に気持ちよくなる」ように調整されているゲームは、取っ付きが非常に悪いことが多いものの、操作を体に染み込ませ、ゲーム中のプレイヤーキャラとの一体感が得られるくらいに自由に操れるようになったときの快感は何者にも代え難い。

とりあえず、一般的なゲームとしてみればいろいろなマイナス要素はあるものの、こういうのがツボにハマるような人であれば、それらの欠点が軽く帳消しになるような魅力があるように思う。単に理不尽な高難度ゲームと、きちんと組み立てられて結果として難度が上がってしまっているゲームは全く違う。どちらも今どき区別してもらえないし流行らない、という点では一緒なのかもしれないけど。

基本的にあまり普通に人に勧められるようなタイプのゲームではないものの、この手のゲームが好きでたまらないごく一部の人にとっては、近年稀に見るくらいに楽しめる作りに仕上がっているように思う。ダメな人は全くダメだろうから基本的にオススメはしないけれど、上記のような内容に反応できるようなタイプの人は是非。車破壊のボーナスステージだと思って喜んで車を殴りに行ったら、その10秒後に後ろに隠れていた敵たちに囲まれてあっという間にハンマーで撲殺されるような素敵なゲームです。*1

*1:そんな敵たちに狙い済ましたコンボを叩き込んで殲滅する快感がたまらない。