■ [開発]作業工程
ある一定の規模の素材が投入されるゲームにおいて、プログラマが量産過程に介入することは悪である。プログラマは量産に必要な環境を整え、素材が正しく用いられるためのシステムを作ることが仕事であり、個々の素材に個別の対応を行ってはならない。もちろんこれは原則にすぎず現場には臨機応変な対応が求められるわけだが、量産開始前からそういうことを言っていると結局泥作業を許容してしまうことになって全部がブチ壊しになるのだ。形式がある程度決まってしまっているならシステム化は比較的容易であり、効果も大きい。
自分の担当分野は企画内容の変更に影響を受けることが少なく、上記のようなシステム化が比較的容易な部分になっている。最終的にはどのような形であれ要求された表現をゲーム中に再現することが目的なので、現状あるシステムをうまく組み合わせて使うことで自由度の高い表現が行えるように設計しているつもりだが、それでもどうしても個別対処が必要になってしまうことはある。
他の工程に関しては、ゲームのシステムが2転3転する過程で量産工程のシステム化がうまくいかず、そのせいで作業効率が落ちていると思われるところがいくつか見受けられる。
プランナーからの要求は製作工程の事情などお構いなしにやってくることも多いので、どこまでをシステムに取り入れて、何を個別対処するかの判断はいつも難しい。今はそれでうまくいくとしても、他に新たな要望が来た時点で破綻してしまうかもしれない。
優秀なプランナーの人であればそのような問題も織り込んだ上で要望を考えてくれたりするけれど、全員が全員そのような技量を持ちあわせているとは限らない。ある種どうしようもないこととはいえ、早いうちに何か手を打っておくほうが賢いのかもしれない。
その理論が経験によって裏付けられていない思想家の教訓を避けよ。
最初に抵抗するほうが、最後に抵抗するより楽だ。