2006-01-17

クルタ計算機 クルタ計算機 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - クルタ計算機 - Nao_uの日記 クルタ計算機 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

ヤフオクに数ヶ月ぶりにクルタ計算機が出品されていた。

http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s12888365?itemStyles=%26u%

クルタ計算機はちょうど手榴弾くらいの大きさの小型機械式計算機で、このサイズながら11桁の四則演算から平方根の計算まで行うことができる。電卓やラリーコンピューターが普及する前はラリーのナビゲーターも競技中の補正計算のために使っていたそうだ。複雑な計算が、精巧な歯車仕掛けだけで実現されているのは本当に素晴らしい。

http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0406/computer.html

クルタ計算機」というこの機械,発明者はクルト・ヘルツシュタルク(Curt Herzstark,1902~1988年)という人物だ。第二次世界大戦中,ナチスのブーヘンヴァルト強制収容所に囚われていた間に設計を完成させた。独自の計算手法と機械技術を採用し,小型軽量化を実現した。

(略)

いまや安価な電卓でずっと速く計算できるようになったが,収集家はいまもクルタ計算機を大切に保有している。見事な計算能力を体験するにつけ,機械的に洗練され,優れた信頼性を備えていることに感服させられる。クルタ計算機は西洋の機械職人技能の極致にして,1人の人間が戦争という障壁を乗り越えて作り上げた不朽の名作なのだ。

クルタはお客様の生涯を通じて耐用し、いつでもお手元にあってお役に立ちます。必ずやご信頼いただける精度です。この小さなクルタは、計算機に関する長い経験の中から生まれました。精密機械の国際的な専門家によって作られ、非常に高品質の金属を使用しています。合成素材は一切使っておりません」



年に数個しか出品されず、相場はだいたい3~5万円くらい。今回は980円スタートで誰も入札していないので安く手に入らないかと期待したけれど、当然のように他の入札者が現れた。ためしに1万円にあげてみたけれどやはりダメ。

相手の落札履歴を見てみると、

『HEMMI計算尺 No.266 電子工学用』という普通の計算尺のようにしか見えない、自分には価値のわからないものに21000円も出している。これは勝てる気がしない・・・。

この人は他にも『昭和3年「逸見式計算尺使用法解説」』とか『科学画報昭和16年5月号 特集電気工学の重点 湯川秀樹』などを落札している。なんだかすごい。このクルタ計算機も自分みたいな半端者が持つよりもこういう人に落札された方が幸せに違いない。