2010-11-16

【2010年8月版】直近決算発表に基づくmixiGREE,モバゲーの業績比較 ~ モバゲー独走状態だが、グリー巻き返しの兆しが 【2010年8月版】直近決算発表に基づくmixi,GREE,モバゲーの業績比較 ~ モバゲー独走状態だが、グリー巻き返しの兆しが - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 【2010年8月版】直近決算発表に基づくmixi,GREE,モバゲーの業績比較 ~ モバゲー独走状態だが、グリー巻き返しの兆しが - Nao_uの日記 【2010年8月版】直近決算発表に基づくmixi,GREE,モバゲーの業績比較 ~ モバゲー独走状態だが、グリー巻き返しの兆しが - Nao_uの日記 のブックマークコメント

今年の8月の記事。

ここでポイントは (1)ガラパゴス化していた多機能ケータイと異なり,PCおよびスマートフォンはワールドワイドな争いになること。(2)PCではFacebookスマートフォンではAppleという覇者的プラットフォーマーがおり,それぞれ参入障壁が高く,マネタイズも容易ではないという点だ。現在の競合状況をチャートにあらわすと次のようになる。

最もチャーミングな領域はホワイトスペース、つまりiPhone/iPad/Androidがカバーするスマートフォン/タブレットにおける世界展開だ。

リンク先の図がわかりやすい。この後、ngmocoの買収によってこのホワイトスペースを綺麗に埋めてきたのがよくわかる。

また日本において、PCソーシャルゲーム分野はブルーオーシャン(未開拓市場)に近い。現在ほぼ100%依存している国内の多機能携帯トラフィックは近い将来は頭打ちになることが予想されるため、GREEおよびモバゲーにとって、PCおよびスマートフォンへの進出が極めて重要な成長戦略となる。

10月から正式オープンしたyahooモバゲーも順調に伸びてきているようなので、市場が飽和してしまう前に未開の場所を目指して次の手をちゃんと打ってきている、ということなのかな。

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他方、当記事内ではあまり触れなかったが、国内ソーシャルグラフをめぐるmixiFacebookのシェア争奪戦も本格化してきた。mixiは、今後、Facebookファンページに相当するビジネス向けソリューションや、さらなる海外ローカルSNSとの提携に関して、積極的に取り組む意向を表明している。

ガラパゴス文化に守られ、独自に、世界でも類のないほど高度に成長してきた国内のソーシャルゲーム関連企業だが、ここに来て、一気にグローバル化の波が押し寄せてきた。すでにDeNAGREEは声高に海外進出をビジョンに組み込んでいる。彼らがボーダーレスにはばたきはじめ、ジャパニーズ・ベンチャーの活力を世界に証明する日が来ることを切に願いたい。

こちらは最新版。たった3ヶ月でもいろいろと状況が変わってる。

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モバゲーで有名なDeNAが米国のソーシャルゲーム制作会社であるngmocoを買収した話。DeNAによるリリースは以下から。もう1か月も前の話。

一部は将来の業績に連動するかたちで支払われるようだが、実に最大で342億円。結構いいお値段なので、よほど業績がよろしい会社なのだろうとリリースを読み進めると驚愕の事実。こちらの会社そもそも創業から2年ほどしか経っておらず、業績は2期連続の赤字。1期目営業赤字209百万円、2期目営業赤字925百万円。売上高もわずか268百万円。

赤字の会社に342億円、さすがに高すぎやしないのだろうか。昔懐かしいITバブルの香りが漂う。というか、赤字の会社でよろしければ、私のほうでいくらでもご用意いたしますが。

さて、ngmoco社が運営するプラットフォームにはなんと1200万人もの登録ユーザーがいるのだそうだ。なぜそれで売り上げが2億しかないのかはよくわからないが。対する我らがDeNAは、登録ユーザー2000万人。やはりDeNAの方が圧倒的に多いけれども、それでも売り上げや利益における桁違いな差よりはずいぶん縮まっている。企業価値とユーザー数の倍率をみてみると、DeNAの16,342倍に対して、ngmocoは2,850倍。急に割安な気がしてくる。

おそらく、DeNAM&A戦略はこうだ。即ち、モバゲーで培ったノウハウをngmocoに投入することで、企業価値/ユーザー数の倍率を自社の水準まで引き上げ、当該上昇分から利益を得ようとするものである。そして、DeNAが自社の価値と思っているものは、マネタイズのノウハウだろう。つまり釣りゲームのユーザーに釣竿のアイテムを売りつける能力のことだ。

と、いうことが実はリリースをちゃんと読むとしっかり書いてある。「強力に」というあたりが、力のこもった感じでよい。

売り上げやユーザー数のようなわかりやすい指標以上に重要な技術やノウハウをngmocoが持っていることを睨んだうえで、一気に勝負に出るような行動力は本当にすごいなと思う。

ハードウェアやOSに依存しない機種横断のソーシャルプラットフォームを一手に掌握する、という明確な目標に向かって適切な手を打ってきてる印象。海外市場でどうなるのかはまだわからないけど。