2007-06-18

[][]くりきん くりきん - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - くりきん - Nao_uの日記 くりきん - Nao_uの日記 のブックマークコメント

増殖という特性により広がった戦略性だけでなく、それを引き出すための細かいユニット操作が、ちゃんと手動で行えるのが素晴らしいです。

 AIに半分任せた簡単操作にする手もあったでしょうけど、固定画面*1を採用することで目に見える範囲に集中させ、楽にするより楽しませる方向に振ったのは思い切った選択…というか、今の時代にドットゲームに毛が生えたような操作画面*2を見れたのは奇跡的かも。

増殖する菌をペンで囲んで選択して動かし、戦わせるRTS風のゲーム。id:k_uさんのところで見るまで完全にノーチェックだった。こういったちっちゃいキャラがワラワラと動くゲームにはとても惹かれる。

何年かに一度くらい、「陣形ってどういう意味があるんだろう?」という疑問を検証するために、『くりきん』みたいなドットキャラが蠢いて戦うプログラムを書きたくなる。

おそらくランチェスターの法則に則ってなるべく多数の味方で少数の敵と相対するために、自軍の兵士をできるだけ遊ばせることなく効率よくぶつけて局所的に多対一の状況を生み出すことが目的ではないかと想像しているのだけど、実際には単純なシミュレーションのように兵士がみんな死んでしまうまで戦い続けるようなことはなく、疲労が溜まったり士気が萎えた時点でどちらかの隊列が崩れて潰走するという形で決着が着くことの方が多いようだ。ギリシアの重装歩兵のように、方陣を組んで隣人を盾で守りながら、とか考えるとさらに話がややこしい。うまくパラメータ化してこういった現象を再現できるできると面白そうなんだけど、どうしてもゲームとして見た時には、地味な展開になりそうな。

今のPCで作るなら、数千~数万単位のユニットをboid的なアルゴリズムで、個々のユニットが自分の目や耳で得られる範囲の情報や自分自身のステータスから状況を判断して行動を決定し、そのような個々の行動の積み重ねがボトムアップに全体の流れを作る、みたいな方向性でいってみるのが面白そうかも。

『くりきん』では、戦闘時間を1分~3分くらいの短時間に区切った上で、後列で待機している細菌が増殖するという要素をうまく組み入れて、シンプルでわかりやすく遊べる形にまとめているのが素晴らしい。また、RTS風の戦闘だけではゲームとしての間が持たないという問題も、小学生くらいの子供が菌の生態を学びながら戦って強くなるというポケモン風の設定の中で、自然にいろいろなルール・シチュエーションで戦闘が楽しめるように仕上げているので、すくなくとも一通り用意されているシナリオを終えるまでは飽きさせないような作りになっているのもいい。このようなルールでの人間同士の対戦はどんな感じになるんだろう?対戦にはカートリッジが2本必要らしいので、誰か身近な人が買ってくれたりしないかなぁ・・・。