2006-04-16

[][]やはり生産の空洞化はアホのやることでしょ。 やはり生産の空洞化はアホのやることでしょ。 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - やはり生産の空洞化はアホのやることでしょ。 - Nao_uの日記 やはり生産の空洞化はアホのやることでしょ。 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

コストの高い国内生産において、あえて、いかに生産効果とコスト効果を出していくか?というチャレンジ。一つは、開発と生産のシナジーを出すこと。高い品質は結果的にコスト低減に繋がるという発想。そして現実的に高い人件費を生かすためにスピード、効率を徹底的に追求すること。ここに社内が故の強みをもてるのではないか?と。

やっぱり自社内のモノ作りの能力こそが重要なんじゃないでしょうかね。中国生産が良いか悪いかということはさておいて、モノ作りにおいて開発と製造が分離してしまうことで、改善のチャンスを致命的に逃しているという考え方は、モノ作りがわかってる人がトップにいないとわからないんだろうなぁ。製造を単純な経費としか見れない人にはわからんのです。

海外のゲームスタジオやCGスタジオでよく見られるような分業体制(モデル、テクスチャ、ライティングをすべて別の人が担当、など)は、上から降りてくる指示を右から左へ効率よく流すようなやり方を取る分には効率的であるように見える。

個人の能力に依存せずに開発の規模を大きくしようと思ったらこのような分業は有効な手段なのかもしれない。しかし、こういったやり方では、広い視野で全体を見渡せるような総合力のある人材が育ちにくいのではないだろうか。

どんな状況にも適応できるような「強いチーム」を作ろうと思ったら、一人一人が幅広いスキルを持って能力を高めていけるような体勢が必要になる。その分、人材のコストも上がってしまうだろうけど、それ以上に価値のあるものが作れるようになるのなら、それはそれでそういうやりかたもアリなのではないかと思っている。最終的にはそちらの方がクオリティ/コスト比を高くすることに繋がるかもしれないだろうし。

平均的なレベルのヒトをたくさん投入しても破綻せずにスケーラビリティを確保する手法が工学なのだとしたら、工学的手法を用いた最適化は目先の効率化には貢献できても、長い目で見ればそれが必ずしもリターンを最も多くできる手法であるとは限らない。

もちろん何をどのように作るかによって違ってくる話ではあるだろうけど、とりあえずCG映画の制作手法に見られるような、ウォーターフォール的な完全分業のパイプラインが最も高効率だから大規模製作の現場はすべからくそこを目指すべき、というわけでもないだろう。

少なくとも外に生産機能を出すということは、その機能の発展はもはや期待してはいけないということだと思います。既に生産のフレームワークが確立していて、発展させなくてもなんとかなったり、その発展を生産設備で吸収できる場合にのみ、外に切り出すメリットがある。

あと、フレームワークやワークフローを丸ごと内包した大規模なミドルウェアに関しても、上記と似たような理由で懐疑的に思っている。ちゃんと触ったことがないので的を外しているかもしれないけれど、仕事のやり方や進め方をミドルウェアに合わせてしまうようなやり方は、本当に効率がいいのか?導入に伴う様々な手間や、開発元が社外にあることに由来する融通の利かなさ、外部のミドルウェアに依存して独自の技術が蓄積されず、開発力が育たないリスクまで考慮に入れると、相当に旨みは少ないような気がしている。

誰が作っても同じになるような基礎的な部分のミドルウェアであれば歓迎だけど、そういうのはもう今時であればハードウェアメーカーがライブラリとして用意すべき類のものだし。そうすると移植をどうするのか、という問題は出てくるけど。