■ 最近のゲームはバグが多い?
最近発売されたゲームで、メーカー・ハードを問わず大きなバグが報告されているものが相次いでいる。こういったバグを出してしまうことはプログラマとしては何があっても避けねばならない事態なので、他人事とは思えなくてとても怖い。
- 「ソウルキャリバーIII」に関してはセーブデータ破壊が大きく扱われて影が薄くなっているけれど、他にもゲームバランスを破壊しかねないような大きなバグもいくつか報告されている。海外版ですでに見つかっていたにもかかわらず国内版を修正することなくそのまま発売してしまったことも、大きな問題になっているようだ。
- 「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊」はGBAスロットに想定外のソフトが刺さっているときのチェックがうまくいっていなかったようだが、すぐに回収・交換に応じるのはさすがに任天堂らしい対処だ。
- 「モンスターハンター ポータブル」に関しては敵のアルゴリズム的な問題のようだ。よくある単純なバグとはいえ、起こる頻度が低いとこういうのをデバッグ班が限られたチェック期間内に100%発見して潰すのは難しいのかもしれない。(それを言うとすべてのチェックに同じことがいえてしまうけれど)
- 「FF4」は、まだ発売されたばかりで状況がよくわからないけれど、移植作業+追加に伴うものなんだろうか?こういった移植ソフトは比較的無茶な開発期間を要求されることが多いようなので、その弊害なのかもしれない。
また、発売前のものではあるけれど、Xbox360でもいくつかのソフトでバグによって発売を延期したり回収したりしているものがあるようだ。
- 『デッド オア アライブ 4』が再び発売延期!!
- 「レッスルキングダム」データセーブの不具合による販売一時停止と商品交換のお知らせ
「デッド オア アライブ 4」に関してはバグと明言されていないものの、この大切な時期にキラーソフトともいえるタイトルを2度にもわたっても延期するというのは、よほど致命的な事態が起こっていたのだと考えていいだろう。この他にもXbox360のソフトに延期されているものが多数でているのは、開発期間の問題なのだろうか?
それにしても、この年末に発売されたソフトだけでもこんなに多数のソフトに大きなバグが見つかるという事態は、いったい何事が起こっているのだろうか?
飛行機事故と同じでたまたま連続して発生しているから目に付いただけなのか、それとも本当に最近のゲームには何らかの要因で致命的なバグが増えてきているのか。仮に後者が正しいとして、最近バグが増えている原因として考えられるものを可能性の高い順に列挙すると、
のようなものが挙げられるが、実感としては1.を除けばどれもそこまで決定的な要因だとは考えにくい。昔に比べるとネットの普及によって致命的なバグがあることが広まりやすいという下地があるとはいえ、最近発売されたソフトでこんなにも大量にバグが出てしまったのは、特に共通した要因のない単なる偶然なのか、それとも何かもっと根の深い問題なのか?
対岸の火事、というわけにはいかないので気をつけないと・・・。
- 関連?:今年は「プログラミング軽視の影響」元年…か?
そういえばゲーム以外の世界でも今年はいろいろあったような。ソフトウェアが大規模化してくると人為的ミスを0にすることが難しくなっていく。チェックが自動化できる部分や適切な警告で早期発見できるものはそうすべきだけど、それでも完全に防ぐことは難しい以上、できるだけミスが起こりにくいやり方や、仮に起こってしまってもできるだけ少ない被害ですむような方法を考えていくしかない。