2005-09-06

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Rules of Play: Game Design Fundamentals (The MIT Press)

Rules of Play: Game Design Fundamentals (The MIT Press)

先日「テレビゲーム解釈論序説―アッサンブラージュ」を読んでいる最中に、後輩から「Rules of Play: Game Design Fundamentals」輪読会のレジメが公開されているのを教えてもらった。

MIT Pressから出版された『ルールズ・オブ・プレイゲームデザインのファンダメンタル』は、「ゲームデザイン」が持っている本質に、ロジェ=カイヨワ『遊びと人間』の議論など過去の理論を検討し直しつつ、学問的な新たな切り口を開くアプローチを成功させた書籍として、世界中から高い評価を獲得している。

まだ流して見た程度ですべてをちゃんと読んだわけではないけれど、とても面白そうなトピックがたくさんあるようだ。単に興味や趣味趣向の違いの問題かもしれないけれど、抽象的な話が多く、疑問が投げっぱなしになっている部分も見受けられたりするにもかかわらず「ゲームを学術的に論じた」ものとしては自分にとっては先日読んだ『テレビゲーム解釈論序説』よりも示唆に富んでいてとても興味深く思えた。おそらくだれもが意識的・無意識的に理解はしていても上手く言語化されていない部分を綺麗に文章にまとめてくれている感じ。海外ではゲームを作るうえでこのレベルのものが最低限の共通認識としてあり、それを前提に議論が行われているのだとしたらとても羨ましく思う。少々値段が張ってもいいから、ぜひ邦訳版を出して欲しい。

学術的なこととかはよくわからないけれど、自分が「テレビゲーム解釈論序説」と「ルールズ・オブ・プレイ」から受けた印象の差は、遊ぶ側の「受け手の視点」で書かれた本なのか、作る側の「送り手の視点」で書かれた本なのかの違いによって生じているのではないかと思っている。「文化として解釈・理解する」ための分析なのか、「それについて考察することによって何か新しいものを生み出す」ための分析なのか、という違い。視点や立ち位置の違いもあるためにどちらかが良くてどちらかが劣っている、とかそういう性質のものでもないから一くくりにして考えるのはよくないけれど、とりあえず自分の立ち位置からはこちらの本の方向性はとても魅力的に見えた。