■ PS3Linux 
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0609/kaigai187.htm
ゲーム機としてのPS3にはあまり良いイメージはなかったけれど、汎用コンピュータとしてのPS3には大きな魅力を感じる。セキュリティ面などゲーム機としては困る部分もでるかもしれないけど『Windows機ではないなんだか凄いコンピュータ』という存在にはなにか惹かれるものがある。あれほど「こんなハードでは作りたくない」と思っていたのに、オープンな環境でLinuxが動いて中身を触れるとなると手のひらを返したようにさわってみたくなっている自分にも呆れるけれど、この感覚はMSX+PC-98ユーザーだったころにX68000に対して感じていた憧憬に似ているのかもしれない。
PS2Linuxのときには発売時点ですでにPS2が時代遅れのハードになってしまっていて、PCで作っていた自前の3Dライブラリを移植してみたもののクリッピングすら自動でやってくれないしVUを触るのは大変だしと面倒ばかり多くて実りが少なく、Linux機として使うにはメモリが不足しているしデモやゲームのプロトタイプを作るならPCの方が楽に作れて性能も良いなぁとか思い始めたあたりで触るのを止めてしまった。PS3ならスペック表だけ見ればその辺のPCでは太刀打ちできないような性能を持っているので、前回のような不毛さを感じることはないだろうと思う。
10年くらい前にコンピュータを触っているときにあったような、何かワクワクするような期待感や、未知のものを動かすときに感じる高揚感を味わうことが最近では少なくなってしまった。
ものすごいゲームが動く高性能なハードウェアで、現存のハードでは動かないようなすごいプログラムが作れるかもしれない。実際にそんなすごいものを作れるような技術など持ち合わせていないけれども、それでもそんな可能性があるだけでもなんだか楽しくなってくるし、自分にはムリでもどこかのすごい人が何か面白いものを作ってくれるかもしれない。ハードウェアが多様だった昔と違ってほぼWindows一色に染まってしまっている現在、「PS3だからこそできる」何かすごいものが出てくると楽しそうだな、と思う。仕事ではやりたくないけど趣味でならOK、というのもずいぶん現金な話ではあるけど。
