2005-06-16

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さらにライト氏はストーリーに対する考え方も披露。ライト氏によればストーリーとは、「おもしろい経験の副作用として位置づけられるべきであり、必ずしも必須ではない」とし、スティーブンソンの「宝島」を引き合いに、ライト氏の考えるストーリーとは、フィルタリングプロセスであり、また因果関係の強調として用い、ユーザーに対する容易なコミュニケーション手段のひとつに過ぎないと、あくまで副次的なものであることを強調した。




 実際、『ザ・シムズ』のプレイヤーたちはゲームの「家族のアルバム」機能を使い、さまざまな方法で自分を表現している。このアルバムはもともと、プレイヤーが『ザ・シムズ』での生活の大切な瞬間を写真(キャプチャー画像)に記録し、収集して、公開するための道具として考えられたものだ。誰一人――少なくともこのゲームの開発者たちは――、多数のプレイヤーがアルバムの本来の使い方を無視し、演出されたシーンのスナップ写真を何十枚も作成して、込み入った筋書きを持ち、いくつものエピソードが盛り込まれた作品を作り上げるなどとは想像していなかった。こうした作品の中には、社会的論評、グラフィカルな小説、さらには映画と呼べそうなものさえある――映画と同じように、『ザ・シムズ』のキャラクターに役を割り当てているのだ。



ある家族の物語

あるところに仲のよい3人家族がいた。父親は売れないB級俳優だが一軒家を持ち、それなりの収入で家族を養っている。母親は美人だがお嬢様育ちで家事が一切できないので、食事の支度や部屋の掃除は通いのハウスキーパーに任せている。娘はまだ小学生だが、賢くてとてもしっかりしている。

そんな幸せな3人家族にある悲劇が訪れる。普段料理をしない父親が、休日に昼食を作ろうとして慣れない台所仕事をしている最中に誤って火事を起こしてしまう。火はあっという間に燃え広がり、あわてて消火しようとした父親は巻き込まれて死んでしまった。

残された母親は嘆き悲しみ、あまりのショックで何もできない状態になってしまった。大黒柱を失った一家は収入が途絶え、ハウスキーパーを雇う余裕も無くなる。

ずっと泣き続けて何もできない母親の代わりに、しっかりものの娘が家事一般を一人でこなす日々が始まった。学校から帰るとすぐに宅配ピザを頼んで食事を用意し、食べ終わったらゴミの後片付けや家の掃除が待っている。掃除が終わるともう寝なくてはならない時間になってしまうので、くつろぐ間もない。

ピザの代金や電気・水道の支払いなどの定期的な出費があるにもかかわらず、この家族は大黒柱を失ってしまったので今はまったく収入がない。母親は育ちのいい家柄のせいかこれまで一度も仕事をしたことがなく、娘はまだ小学生なので働くことができない。それでも無情にも請求書は届く。

母親は少しでも元気のあるときを見計らって料理の本を読んで自炊の練習をしたり、収入を得るために働き口を探そうとするが、まだ悲しみが完全には癒えていないためか失敗続きでなかなかうまくいかない。

足りない収入は家にあった高価なプラズマテレビやピアノを売ってやりくりするが、それもいつまでもは続けられない。何をやってもうまくいかなくて精神的にも不安定な状態の母親と、日々の家事に忙殺されてストレスの溜まっている娘の間は気がつくととても険悪な状態になってしまっていた。

「このままではまずい」と感じた娘は、母親と一緒にテレビを見たりなどコミュニケーションをとる時間を増やして関係改善に努め、母親の家事の負担を減らして仕事に就いてもらうよう促した。また、近所の男性を家に招待して母親に引き合わせるなどして、新しい父親(と収入源)を見つける試みもはじめた。

娘の努力のおかげで母親は次第に平静を取り戻し、給料は安いもののパートタイムの仕事を見つけることができた。最初は失敗続きだった料理も少しずつ上達し、最低限の収入も確保できたので、生活は苦しいながらも2人で協力することで少なくとも家計の破綻の危機は乗り越えられた。

しかし、日々のムリが祟って娘の学校の成績は日々悪くなってきていた。睡眠不足と疲労困憊でストレスの溜まった状態で毎日学校に通っているのだから無理もない。幾度となく先生から注意を受けるが、どうすることもできない。母親の収入も娘のサポートのおかげで安定してきてはいたが、それでも家事と仕事の両立には苦しんでいた。

そんなある日の朝、親子は目覚まし時計がなっているのに前日の疲れが溜まっていて二人とも起きることができず、娘は学校を無断欠席、母親は仕事を欠勤してしまった。その数日後、娘はあまりの成績の悪さを理由に学校から放校処分を言い渡され、寄宿舎付きの軍の学校に入学するために強制的に連れ去られてしまった。

二人で苦しいながらもやっと生活が軌道に乗り始めたばかりだったのに、一人ではどうにもならない。

残された母親はただただ呆然とするばかりだった。


友人とはじめて協力プレイをしたときの一時間程度のプレイの履歴。上記のストーリーはゲームにあらかじめこのようなイベントが組み込まれているわけではなく、システムに則って普通にプレイした結果、自然に発生したものだ。もう何年も前の話だが、あまりに印象が強かったためにかなり詳細に覚えている。

たまたま操作に不慣れな友人が間違えて父親を死なせてしまった結果、偶然上記のような起伏に富んだ展開となった。途中で親子が協力してなんとか頑張って状況を良くしようとする過程の試行錯誤も楽しかったが、やっと軌道に乗ったかと思った途端に娘が連れ去られて母親が一人残されてしまったときには、あまりの急展開に友人と二人で大爆笑してしまった。

操作できるキャラが1人だけになってしまったのでここでプレイをやめてしまったけれど、この続きを遊んでみるのも面白かったかもしれない。この状況で夫人一人では収入が心許ないので、きっといかに早く新しい夫を見つけられるかが勝負になったことだろう。

The Simsと似たシステムにシナリオと戦闘を組み込んだガンパレードマーチもよくできていた。もうすぐ発売される続編扱い?の絢爛舞踏祭がどんな仕上がりになっているのか楽しみだ。