■ 軍事技術としてのホロフォニクス
http://www.23net.tv/xfsection+article.articleid+70.htm
先日リンクしたページは日本の数少ないホロフォニクス関連の情報が載っているサイトで、このサイトを初めて見つけたのは何年も前の事になる。久しぶりに見てみると、最近になっていろいろと新しい情報の追記がなされているようだった。
どういうことなのかと言いますと,われわれが普通の状態で聞くことのできる音の範囲は限られてます.僕らの自発参照音というのはどのくらいまで届いているかが少しずつわかってきたのですが,ある種のイヤホンをつけて非常に遠隔地まで伸ばしてみたとします.それを,5mくらいのエリアで100mくらいのところから出てきている音もつかまえてピックアップする.
この5mを10mとか200m位飛ばして増幅してそれをピックアップしようとすると,しかも焦点距離を制御するような非常に微細な音を,あるポイントだけピックアップするということができるのです.
そうすると例えば,時速100キロで走りながら1キロ,2キロ先の生物反応をピックアップすることができる. 戦車などに使うとそれはもうたいへんな軍事テクノロジーですね.」
ホロフォニクスの使用例に地震予知「Earthquake detection system for advance warning」 が記述されている。これは、強力に増幅した参照音によって、地震の前振動なり断層のきしみなどをピックアップする技術ではないかと推測される。
これなどは、地震の多い日本としては導入してほしいものである。日本の自衛隊のアメリカ製機器の中にはブラックボックス化され自衛隊で勝手に開けられないものもあるという。同様に、この地震予知システムも中身はブラックボックスでかまわないので、装置だけ使わせてもらえないのだろうか。
ミュージシャンのレコード録音に使われていた立体音響なのに軍事技術になるなんていうのはスリリングな話でもある。
似た話では、電子楽器テルミンというのがありドキュメンタリー映画『テルミン』で描かれたが、発明者レフ・セルゲイヴィッチ・テルミンは冷戦時代にソビエト軍に従事していたという。
(ちなみにサイキックTVもカヴァーしたビーチボーイズのシングル曲『グッド・バイブレーション』でテルミンは効果的に使われている。レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジが映画『ソング・リメイン・ザ・セイム』の中で使っているのでも有名。)
テルミンは、棒状のロッドの周りで手をかざして動かすと連動して音を発する楽器。
これも人体探知レーダーになるだろうし、また、推測するに対人自動破裂地雷などに応用可能だろう(イヤな想像だが)。
「自発参照音」とかもかなりSFネタっぽく感じられる要素だけど、もともとはただの立体音響録音システムであったホロフォニクスが軍事応用されているかもしれない、という話には子供の頃に学研の「ムー」を読んだ時に感じたような奇妙な非現実感がある。ホロフォニクスの謎の多さと実用性の高さのわりに90年代以降にほとんど使われていない、という事実も軍事目的で利用され始めたために民生用への使用を禁じられた、という説の説得力を増している。