2005-02-12

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全く予備知識がない状態で見に行ったので、途中までピーター・パンの原作者の話だとは気づかずに見ていたおかげか、かなり新鮮な気分で見られた。まず、空の青さや公園の緑が美しく、全体を通して幻想的な雰囲気のある映像がよかった。

なかなかいい作品の書けない劇作家とその妻、興行がうまく行かないプロデューサ、夫を亡くした未亡人と子供たちとその祖母など、それぞれの立場の人のいろいろな思いが交錯していて、見る人によってそれぞれ違うものを感じられる映画かもしれない。

子供が好きで、ごっこ遊びが大好きな劇作家のバリは、公園で出会ったデイヴィズ家の子供たちとの交流を通して、ネバーランドの世界を構築するための着想を得ることになる。傍目にはいい大人が大真面目に一日中子供と遊んでいるだけなので世間の目は冷たかったようだが、ピーターパンの脚本を書くためには欠くことのできない時間だったようだ。

新しくて魅力的な世界を作り出すことはとても難しい。こうすればうまくいくというセオリーがあるわけでもなく、全ては作る人の想像力にゆだねられる。新しいものを作るたびにそれがうまくいくかどうかの保証もないまま、どちらに向けて進めばいいのかを決めていかなくてはならない。たとえ他のスタッフの力添えがあったとしても、何かを作り出す人は常にある種の孤独な作業を強いられているのではないかと思う。

この映画では悲しい別れなどがありつつも最終的にピーターパンの舞台は、子供から大人まで観客の大きな喝采を受けて大成功を収めるが、その場面を見ながら多くの人を虜にする魅力的な世界が構築できたならどれほど幸せだろうか、と改めて感じることができた。とりあえず今回の仕事ではその世界の構築や雰囲気作りの直接的な手助けが大きな部分を占めることになるはずなので、なかなかいいタイミングでいい映画を見られたように思う。

あと、見終わって帰ってきてからネットで調べてみて、はじめて主演がジョニー・デップだということを知った。パイレーツオブカリビアンの時のアクの強いイメージとネバーランドでの作家バリの純粋で繊細な感じのギャップが大きくて、そうと知ってもまだピンと来ない。いくら人の顔をおぼえるのが苦手だとはいえ、ここまで気づかない、っていうのもどうなんだか・・・。

遊ぶには空想力が要る。

空想の世界というのは独立した一つの国だ。

真夏に雪合戦をしたくないかね

               『34丁目の奇蹟』より