2005-01-12

[][]"生物の寿命と細胞の寿命 ―ゾウリムシの視点から" 高木由臣 はてなブックマーク -

生物の寿命と細胞の寿命―ゾウリムシの視点から (平凡社 自然叢書)

生物の寿命と細胞の寿命―ゾウリムシの視点から (平凡社 自然叢書)

細胞分裂で増える単細胞生物の寿命はどうなっているのか」という疑問をもとに購入した本のうちの一冊。

もし単細胞生物に寿命があるとして、クローン状態で二つの同じものに分裂するならその子孫たちは一定時間後に寿命が来た時点で一斉に死んでしまうことになる。また、一方の親から寿命時計が0にリセットされた子供ができるのであればそのようなことは起こらないが、それではなんとなく一般に言われる細胞分裂のイメージとは違うように感じる。

そもそも分裂回数を記憶する寿命時計のようなものが細胞内にあるとして、それは一体どのような仕組みなのか?生まれたときにもっている何らかの物質が時間ともにどんどん減っていって枯渇するのか、不可逆的に毒やゴミのようなものが溜まって排出できなくなるのか、細胞そのものが時間とともに崩壊していくのか?

この本で説明されていた答えとしては、ゾウリムシは400回~700回程度の分裂を行うと老衰期に入り、不活性や分裂異常が始まって最終的には分裂できなくなって寿命を迎えることになるらしい。しかし、エサが枯渇すると他の個体と接合を行ったり、オートガミーと呼ばれる自家受精を行って若返り、その時点から新しい世代としてまた分裂を始めることになるようだ。

「老化」と「寿命」は全く別の現象である、というのがこの本の著者の主張である。「老化」は細胞の活動や分裂にともなって何らかのエラーが細胞内に蓄積されて構造の維持に支障をきたす現象だが、それとは全く別個にあらかじめ細胞の分裂回数が遺伝子に「寿命」としてプログラムされている。だから「不老」が実現したとしてもそれと同時に「不死」になれるとは限らない。仮に細胞そのものの老化現象はとめられても、それだけではあらかじめプログラムされた分裂回数は変えることはできない。

そのような「寿命」を決める遺伝子があることを証明するために著者がゾウリムシを使って行った実験の過程とこれまでに上がった成果が本書の主題なので、それ以上の内容に関してはもともとの疑問とはあまり関係のない話ではあったが、大変興味深い内容だった。生き物相手に何年もかけて地道な実験を繰り返すのはほんとうに大変な作業だと思う。

著者は接合やオートガミーを人為的に発生させないようにして分裂させる実験を行っているため、接合やオートガミーを行うとどのような仕組みで寿命がリセットされるのか、という事に関してはあまり詳しく記述されていなかった。寿命に関してはよくわかっていない部分も多いらしく、まだいろいろな疑問は残ったままではある。他の本とあわせて読んでみて、少しでも疑問が解決することに期待したい。

コエンザイムQ10(CoQ10)

この本の内容から少し外れるが、コエンザイムQ10というビタミン様物質を含んだサプリメントが最近話題になっている。

http://www.mit-japan.com/ndl/ndl/coq10.htm

細胞の老化の原因の一つとして、活性酸素がある。活性酸素は、ミトコンドリアブドウ糖を分解してエネルギーを得る際に副次的に発生する物質で、非常に反応性に富むために周囲の分子から辺りかまわず電子を奪って酸化して正常な機能を阻害し、その結果、細胞の老化が進んでしまう。

コエンザイムQ10ミトコンドリアがエネルギーを得る過程で必要になる物質であり、抗酸化作用も持っているため、老化の進行を遅らせる作用があるそうだ。もともと体内にある物質なので、安全性も高いらしい。

しかし、コエンザイムQ10を飲んでいると「寝てるあいだにみた夢をはっきり覚えている」という症状が出る事があるようだ。

no title

Googleで少し調べてみたが、同じような症状が出る人が他にもいるようなので、一応再現性のある現象のようだ。特定の商品で出る症状なのか、添加物や特定の成分の組み合わせでそうなるのかはわからないが、とても興味深い。

ヒトの体はものすごく多数の要素の絡み合った複雑系だから、そのなかの特定のパラメータを変えた結果、何が起こるかを想定するのは難しい。

どういう仕組みでこんな現象が起こるんだろう?

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大量の書籍とマンガの量に圧倒されて部屋の片付けが進まなくなったので、ブックオフの出張買取をお願いした。利用するのはこれで2度目だが、店に持ち込むのはけっこう大変なのでとてもありがたい。

いまちょうど査定してもらっている所で、他にする事がないので日記を書いている。査定に来た人がきれいに積み上げたマンガの山を見て、これだけの量の本が部屋のどこに納まっていたのかと疑問に思う。また、売らずに残している散乱した本の山を見て、これをどうやって片付けたものか悩む。

何冊売れていくらくらいになるのだろうか?とりあえず、これで地震がおきても本の山に埋もれる心配だけはしなくてよくなりそうだ。

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査定終了。317冊で約21000円。一冊あたり平均66円の計算になるが、それなりにいい値段で引き取ってもらえた。売った量と残りの本の量を考えると、家に置いているマンガだけで1000冊以上あったようだ。ほぼ同量以上の専門書や雑誌があるので、全て合計すると相当な量になる。C MagagineやLinux Magagine、CG WORLDやBitあたりのバックナンバーは寄贈という名目で会社に置かせてもらおう。他にもすぐに必要になりそうにない専門書は少しづつ会社の本棚に移動していきたい。でも、根本的な解決のためにはもう少し広い部屋に引っ越すことも考えてみたほうがいいのかもしれない・・・。