■ [本][購入][読了]Game Programming Gems 3 日本語版
- 作者: Dante Treglia,中本浩,川西裕幸
- 出版社/メーカー: ワークスコーポレーション
- 発売日: 2004/12/01
- メディア: 単行本
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とりあえず購入。高い。これと夕飯の買い物で財布がほぼ空に。一通り目を通してみたが原本が少し古いせいか、目新しい内容は少ないようだった。さすがに最初のGems1がでたときのような衝撃はもうない。後半のグラフィックス/ネットワーク/サウンド関連よりは、前半のプログラム一般のシステム設計やUI・マクロを使った小ネタの方が興味深かった。AIに関してはどの本を見てもほとんど移動パス発見と有限状態マシンの話しかしていないような気がする…。AIミドルウェアって、使い物になるのかな?
次の仕事で必要になるかな、と思って「GPU Gems 日本語版 ASIN:4939007693」も購入してみたけど、残念ながらこちらが活用されるのはずいぶん先の事になりそう。
それにしても、次世代のシェーダーまわりで必要なものってどのゲームでもだいたい同じようなものになりそうなので、こういう面倒な世界に深入りするよりはもっと違うことをやったほうが面白そうな気がする。かつての3Dプログラミングや特殊なエフェクト・フィルタ類がそうであったように、最初は高度な特殊技能をもった人にしか実現できないことであっても、いずれ誰でも普通に実装できるような状態になるはずだし、「高速道路」の発達で新技術が旬でいられる期間はどんどん短くなっている。製品化のタイミングを考慮したり、インパクトのある場面で効果的に使うことを心がけないとあまり意味がない。
また、実写を目指すと誰がやっても最終的には似たような結果にしかならないだろうし、マニアックな要素を突き詰めても苦労のわりにはぱっと見にほとんど違いがわからないなんて事も多くなりそう。レースゲームなどはすでにそのような領域に入りつつあるように思う。
結局、このような表層的な要素にとらわれないノウハウを蓄積していくとともに、最終的にはデザインと内容で勝負するのが筋ではないかと。それを支える最低限の技術はいつでも必要になるのだろうけど。
■ 日米の差
…いや、日本のそれも横から見たシルエットはそれなりに正確だと思うのですが…ちょっと泣けてくるなあ…
no titleより
60年経っても埋まらないどうしようもない差がここにあらわれているように思う。しかし、これだけで勝ち負けの全てが決まるような類の差ではない、はず。高度な技術や徹底した効率化だけでは成し得ないことはまだたくさんある。最低限の基礎は必要だが、文化やこれまでの積み重ねの問題で国産品にしかできないことはまだ多いように思う。
とはいえ、プログラミングやCGまわりの資料として買う本には翻訳物がほとんどを占めるのもまた事実。気がついたらハリウッド映画と邦画のような関係になってしまわないようにうまくやっていきたい。そうなってしまったとしてもそれはそれで面白い状況なので、個人的にはあまり困ることはないけれど。