■ ゲーム機を皮切りに距離画像センサは普及するか 
Kinectがこれまでの距離センサの性能から考えると圧倒的に安価に作れたのも、何百万台単位で普及させることを前提とした研究費が使えて量産効果も働いているから、という側面もあるはずなので、今後数年のうちにKinectそのもののハードウェア性能が上がることは考えにくいんじゃないかと思う。
一方で、Kinectが普及することによって距離センサが有望な市場だと認識されれば、Microsoft以外の企業でも同方式のさらなる高精度化や小型化、違った方式による測定技術など、同種の技術の開発にコストを掛けることができるようになり、より多様な製品が出てくるようになる可能性もあるんじゃないかとも思う。
手軽に距離画像センサを使うことができるようになることで、それを活用した画像処理のソフトウェア技術の開発や研究も盛んになっていくだろうから、いままでのRGB画像ベースだけでは難しかった様々な物体や姿勢の認識なども、より高精度に行えるようになってくるはず。
この分野は今後のゲームやエンターテインメント業界にも大きな影響を与える重要な技術であるように思っているので、そのような相乗効果で画像認識技術・コンピュータビジョンなどの研究や市場がより一般的になり、普及して発展していくことに期待したい。
