■ 【漫画に関するイイ話】 「モーニング」島田編集長と「宇宙兄弟」担当編集さんの日々の発言のまとめ 
講談社のキャッチコピーは「面白くて為になる」。モーニングのキャッチコピーは「読むと元気になる」。いいキャッチコピーは、常に短くて分かりやすいものです。１話目を読んでいいキャッチコピーが思いつくものはヒットします。思いつかないものは面白くても、一般性が足りないのです。
ドラゴン桜は「東大合格請負漫画」。モダンタイムスは「検索から監視が始まる」。宇宙兄弟は「人生可変、約束不変」です。エンゼルバンクは「社会人のためのドラゴン桜」。エンゼルバンクが爆発的な売れ行きにならなかったのは、分かりやすさが足りなかったせいかもしれません。
分かりやすさとは、読んで分かるということではなく、読んでいない人にもなんとなくこんな話じゃないかなと分かる、分かりやすさのことです。
■ 女性は宇宙ネタを敬遠するの？→女性が敬遠する漫画 
宇宙兄弟は、宇宙ということだけで手にとらない女性がたくさんいました。１巻発売時の男女比率は７：３です。何とかその比率を５：５にしたいと、女性に特化した宣伝方法を考えました。目をつけたのは美容院です。普段行く美容院へ行き、月ごとの客数、回転率、話題の選び方を根掘り葉掘り聞きました。
ダサいと思っている美容院にわざわざ行く人はいないので、店員の趣味を信頼している人は多いようです。そこで首都圏の美容院に手紙をつけて１巻を送付しました。店頭に出さなくていいので、バックヤードで皆さんで読んで、面白かった場合だけお客さんに推薦してみてください、と。
本代と送料しかかかっていない宣伝でしたが、手紙の返事などかなり反応がありました。男女比率が５：５になった時もうれしかったですが、ついにこの２週間は４：６です。女性がムッタのダサかっこよさにはまってくれるのはうれしいものです。パブラインを見ながらニンマリする要素の多い朝でした
