■ 【CEDEC 2010特別企画】CEDECフェロー松原健二氏インタビュー
ただ、ソーシャルゲームの伸びはずっと続くわけではなく、一定の段階である程度飽和状態になる。それなりの市場ができ上がった後は、激しい競争が始まる。いや、もう既に始まっているでしょう。それはプレーヤーにとってスイッチングコストがそれほど高くないから、つまりこのタイトルを辞めて別のタイトルに移ることがオンラインの特性として比較的容易です。基本プレイ無料というビジネスモデルは、初めての人にとって参加の障壁を下げる一方で、既存プレーヤーにとっても他タイトルへの移動がしやすい。こういう環境で、開発費を投じて利益を上げる構造を作るのは各社さん大変なのではないか。ごく一部のタイトルが支配的な地位を占める傾向にあるのではと思います。
■ カルチャーショック
SNSゲームに限らず、
他人とつながらない遊びはもうダメだ。
ってのはよくわかる。
ウエイトがゲーム自体ってよりも、
他者とのコミュニケーションにある。
コミュニケーションのネタ、触媒としてゲームがある。
そういう極論も、ある程度理解できる。
しかし、そんなときでも
求められているのは、
善意、とはまではいかないまでも
暖かいコミュニケーションだろうと
想像していた。
先にも書いた「怪盗ロワイヤル」である。
これは久しぶりのカルチャーショックだ。
見ず知らずの人が、
自分がせっせと集めたアイテムを盗んでいく。
誰が盗んだかもわかる。
仕返しも出来る。
盗まれていい気はしない。
ゲーム屋にしれてみれば、
盗む盗まれる部分のデザインがキモと考え、
仕組みと演出をリッチに考えるところだが、
このゲームでは仕様も演出も
拍子抜けするくらい単純である。
ここも真逆。
注視されているのは、むしろその結果。
結果から発生するコミュニケーションである。
従来のゲーム屋、っていうかオレが、
めざす(=求められている)
コミュニケーションの質を
見誤っている感がある。
プロレスの衰退と格闘技の盛況の
関係に近いのかもしれない。