■ 「セミの鳴き声」は効果音か単なるノイズか
なんでもアメリカにもイギリスにも、セミはほとんどいないんだそうだ。セミっていうのは熱帯や亜熱帯の地域に生息する昆虫なので、日本より緯度の高い国では種類も少なく、小型のものしかいないとのこと。北米大陸には、俗に「周期ゼミ」とか「素数ゼミ」と呼ばれる、13年もしくは17年周期で大発生する種類のセミしかいないという。つまり今年大発生したら、次にセミを見るのは13年か17年後ということになり、しかも大発生するのは一部の地域だけなので、下手すると一生セミを見ることがない人もいるんだそうだ。セミの鳴き声を聴いてやっと夏本番と感じる日本とは大違いである。
明治維新の時、日本にやってきたヨーロッパ人はイタリアや南仏などの地中海沿岸地域出身者を除くとセミを知らないものが多く、「なぜ木が鳴くのか」と尋ねたものもいたという。現在でも、日本のドラマを欧米に出すとき、夏の場面ではセミの声を消して送るという。日本ではいかにも暑い盛りのBGMと感じられるが、あちらでは妙なノイズが乗っていると思われる場合が多いという。
「夕凪の街 桜の国」を見てるときに、夏の場面が多かったのでセミの声が聞こえるたびに上記を思い出して集中できなかった。確かに知らなければ不思議なノイズにしか聞こえないかも。