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■ 直して普通、人が当たり前に見てるのが成果
チェッカーの辛いところは「直して普通」ってとこよ。
ひどい動画を一晩かけて直す。でも見る人には普通に動いて当たり前。もとがどんなにひどかったか誰にもわからない。
むなしくなるの。頑張って普通にしていく作業が。
直して普通、人が当たり前に見てるのが成果。
どんだけ普通に見えるのが偉いか。
世の中にある多くの仕事には、誰の目にもわかりやすい派手な仕事と、そうでない仕事がある。
中には、もし欠陥があれば一目でわかるにもかかわらず、いい仕事であればあるほどかえってその良さに気づかれにくい、とか、むしろその存在が「見ている人に意識されないほど良い」というような類の仕事もある。
そのような「ちゃんとできていて当然」であり、結果として他人からは評価されづらいような、縁の下で支える分野の仕事を長年続けていると、それだけではモチベーションが維持できなくなってしまう事もあるのだろう。それでも、誰かがその仕事をやらなければ、会社は成り立たない。
一口にゲームプログラマといってもさまざまな仕事がある。どのような仕事を割り振られるのかはチームの状況次第ではあるものの、似たタイプの仕事を継続して繰り返すことで本人の中にいろいろとノウハウが溜まってくることも多いために、たいていの場合は同じような仕事を何年も続けることになる。
特に、他の人では代替することが難しい専門性の高いスキルを持っているような人は、ロックインされて同じ仕事の繰り返しになる確率が高い。
自分が今専門としている仕事も、最初は決して望んで割り振られた仕事ではなく、むしろ自分が苦手とする、やりたかったこととは違う種類の仕事だった。とはいえ実際にやってみるとこれはこれでいろいろやりがいもあって面白いし、すぐに動くものが出て結果もわかりやすい。自動化や効率化を進めてできるだけ自分の手がかからない状態にして他の作業も同時に進められるようにしたり、その専門分野を足場として近隣の面白そうな分野にも手を出してみたりなどしながら、それなりに楽しくやっているつもりではある。
自分の例のようにたまたま運良くその仕事を楽しめている分にはいいものの、ずっと同じことの繰り返しに感じてモチベーションを維持できなくなったり、5年先、10年先を考えてそのときに自分は何をやっているのか、などとと考えたときに今の仕事に疑問を持ってしまうようなことは、経験を積んだある程度以上の年代の人にはありがちなことなのだろう。
何を仕事のモチベーションとするのかは各人それぞれ違うだろうけれど、こればかりは当人の問題、としか言いようがないし、一度そのように決意したのであれば、寂しいことだけど、止めることはできない、の、かも。大抵の場合は、単純な一つの原因があるのではなく、いろんな要素が複雑に噛み合って何らかの決定や行動に至るのだろうし。