2005-10-31

風邪引いた。 風邪引いた。 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 風邪引いた。 - Nao_uの日記 風邪引いた。 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

朝起きたときにはなんともなかったのだけど、昨晩が少し寒かったせいか会社について仕事を始めると寒気がしはじめた。自販機で買った暖かいココアで体を温めたら少しはよくなったものの、あまり頭が働かない。それに加えてただでさえ仕事が遅れてるところに午後いっぱい別件でミーティングが入り、まったく作業が進まない。残業して自分の仕事を進めようとするものの、考えがまとまらないので後で困りそうなヤバめのソースしか書けない。

仕方がないのでいつもより早めに帰宅して少し寝たらだいぶよくなった。自分の仕事以外でもいろいろ問題が起こっているようで、風邪を引いている場合じゃないみたいなので明日以降に引きずらないようにしないと。

計算的な深さと脳 計算的な深さと脳 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 計算的な深さと脳 - Nao_uの日記 計算的な深さと脳 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

ニューロンが入力を受けてからスパイクを出すまでは早くとも数ミリ秒かかる。人間が反応するまでの時間は零点何秒かだから、入力と出力の間には最大に見積もっても数十段のニューロンが介在するだけである。(実際はもっと段数が低いだろう。)一方コンピュータの方は現在のネズミ以下の判別能力しかないような画像認識をするにあたってさえ数千万サイクルの計算を行わなくてはならない。だから、脳が物凄い並列計算をやっているに違い無い。ここまでは普通の話ね。

で、問題は「じゃ、物凄い並列な機械をつくったら脳の能力を再現できるのかよ」ということ。もちろん誰も答えをしらない。どんなアルゴリズムを使えば良いか分からないし。人によっては絶望して「新しい物理法則を」とか「量子論的並列性」とか、「魂」とかに行っちゃう。

で、僕も答えは持って無いけど、この問題を考えるにあたって以下の「計算的大きさ」と「計算的深さ」の概念をしっかり持っておくと役に立つと思う。この用語は今日思い付いたんだけど、計算機を知っている人は誰もが前からぼんやりと意識している概念だとおもう。

つまり脳から推測される100段以下の計算的深さでもって、物体の認識をはじめとする脳の機能を再現することができるかとうい問題だ。

コンピュータ的に言えば1000段程度の計算的深さで可能かである。

それが無理そうに見える理由は、第一にはリーチが短いように思えることだし、第二にはターゲットが遠すぎるような気がするからである。

リーチが短いような気がするのはなぜか。それは我々の知っている普通のプログラムがすでに計算的に1000段程度ですまないくらい深いように見えるからである。しかし、実際のところ普通のプログラムは計算的には非常に浅い事を論じた。また必要もないのに間違って深いプログラムも多い。

次に、ターゲットが遠すぎるような気がする理由は、つまり脳の機能を記述するアルゴリズムが全く想像できないからである。しかし、人工知能の項で触れたように、我々の知覚や運動が安定しているという事実ははそれが計算的に意外と浅いプロセスであるかも知れない可能性を思わせる。つまりターゲットは意外と近いのかも知れないのだ。

この二つをあわせて考えればあるいは、1000段以下の計算的深さでもって脳の機能を再現することもあり得ない事では無いように思えてきませんか?(もちろん計算的な大きさは極めて大きいけど。)

自分の中では漠然と『宇宙→生命→脳→計算→コンピュータ→AI』という流れが「複雑系」「カオス」「フラクタル」などのキーワードで繋がっているようなイメージがあったのだけど、この話では脳・計算・人工知能にまつわるさまざまな要素が綺麗にリンクして一つの議論に収束しているように見える。ここから議論が広がっていくととても面白いことになりそう。

特に知能に関しては『アンドロイドの脳 人工知能ロボット"ルーシー"を誕生させるまでの簡単な20のステップ(ISBN:4757211015)』でも示されているように、脳が計算的に浅い仕組みを使っている可能性は高いと思う。

今後のプロセッサの進化に伴う並列アルゴリズムの研究から面白い成果が出てくるかもしれない。今日はあまり頭が働かないのでいずれまた時間をおいて考えてみたい。