2005-02-01

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おおきく振りかぶって (3)

おおきく振りかぶって (3)

3巻を購入。基本的には何の変哲もない野球漫画のはずなのに、読んでいるとなぜだかすごく引き込まれる。最近じわじわと人気が出てきているようで、先日は糸井重里のほぼ日でも取り上げられていたのには驚いた。

この人の漫画は「ひぐちアーサー」の名前でデビューした頃から読んでいるが、初連載「家族のそれから (アフタヌーンKC)」では、母親と兄妹2人の母子家庭の母親が若い父親と再婚後一ヶ月で亡くなり、残されたほとんど赤の他人の義父と兄妹が悩みながらもなんとか家族として生活していくという話で、荒削りながらもどこか琴線にふれるところがあった。2作目の「ヤサシイワタシ(1) (アフタヌーンKC)」は前半部分で主人公があまりに奔放すぎるヒロインに振り回される日常が描かれていて、連載中は面白いといえば面白いのだけど今ひとつ掴み所のない漫画だな、と思って読んでいた。しかし、途中でヒロインが自殺してしまい、その後に残された人たちの話になると一気に話の深みが増し、連載開始からかなりの時間が経っていたがその時点でやっと「ああ、こういう話が書きたかったのか」と納得できた。読んでいて心が痛むようなちょっと重苦しい話ではあるけれど、それぞれの登場人物の心理描写や葛藤などがとても丁寧に描かれていて、それがとても印象に残っている。

そんな作者が次は高校野球の漫画を描く、というのを知ったときにはいったいどんな話になるんだろうと思って楽しみにしていたが、実際に連載が始まってみるととても明るくてわかりやすい話に仕上がっており、もう1話目から全力投球状態で期待以上に面白かった。設定もキャラ立ても素晴らしく、1話目を呼んだときのワクワク感が毎月持続している感じで、読んでいてとても楽しい。

単行本のオマケに高校野球の取材(と称するおっかけ)の話などが載っていたが、本当にこの作者は高校野球が好きで好きでたまらないんだなぁ、というのがビシビシと伝わってくる。好きな人が好きなものを好きなように描いている様がよくわかり、今後の展開も楽しみにしている。

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ふたごのプラネテス (モーニングKCピース)

ふたごのプラネテス (モーニングKCピース)

近未来の宇宙を舞台にデブリ回収業を営む人たちの漫画「プラネテス」の副読本。作者の書き下ろしの漫画と全話のおおまかなストーリ、日本橋ヨヲコなどの特別書き下ろし応援漫画などが収録されていた。

これを見て単行本を読み返したくなったが、プラネテスの単行本は全て会社に置きっぱなしになっていて、我慢しきれずに家に置いておく為の2セット目を購入してしまった。

主人公の八郎太は一介のデブリ屋でありながら「自分自身の宇宙船を手に入れる」という分不相応な夢を持っていたが、ある事故をきっかけにその目標に向かって本気で取り組むことになる。その過程での精神的な成長と、周りの人間模様が主なテーマだが、完結してしまったのが惜しく感じられるくらいにいい話。面白いものは何度読み返しても面白い。

原作はNHKのBSでアニメ化もされ、この副読本にはDVDが付属されていてそのうちの一話が収録されているが、アニメ版は原作とは違って「デブリ回収業のサラリーマンが主人公の会社モノ」として企画されたようで、設定資料などをを見る限りではこれはこれでよくできてはいるんだろうけど、僕が見たいものとは違うモノだと思われるので見ないことにしている。

あまり関係ないが、2セット目の4巻は乱丁で一部のページが1/5ほど短かったり、余白部分が折り返されたりしていた。漫画はけっこう沢山買ってきたが乱丁にあたったのは初めて。読むのにあまり支障のない程度の乱丁だし、同じ本の2冊目なのでむしろ当たりをひいたみたいでちょっと嬉しい。