■ wii musicの快感
そもそもこれまでの音楽ソフトは、プレイヤーが音楽についてゆくものばかりだった。プログラム演奏が主で自分は従だった。wii musicでは、自分が外れることがありえないから、減点されることがない。ただ「きもちいいこと」に主眼を置いて作ったチャレンジングな意欲作だと思う。プレイヤーが指揮棒で演奏に「間」をつけさせるというのは、逆の発想においてね。
■ 任天堂に対抗するだって?w 無駄な抵抗はやめておけ ~最強の55歳~
任天堂は今夏にWii Musicの続報を発表すると期待されている。その基本コンセプトは、既に完成された楽曲を楽しむGuitar HeroやRock Bandとは大きく違い、作曲や即興演奏の楽しさを体験させてくれるものだという。
ところで、宮本さんは学生時代からBeatlesやLovin’ Spoonfulのような洋楽を聞いて育ったという。ピアノやカントリーギターも弾けるし、カントリー音楽マニアでもあるという。インタビューの後、宮本さんと会食の場を設けた際にこんなことがあった。その会食があったレストランのショーステージにカントリーミュージシャンのRicky Skaggsが数日後に上がる予定だと聞いた彼は、即座にその名前に反応し、半ば冗談ではあるが「滞在期間を延ばしたい」と苦悶の表情を浮かべたのだ。実際には予定通り彼は帰ったのだが。
そんな音楽好きの宮本さんが作るWii Musicに関して彼はこう言及してくれた。「遊ぶ人がまるで本当に作曲しているかのような体験が簡単にできるものをお届けしたいと思っています」
学生の頃にPixel君が「だれもが音楽の楽しさを味わえるようなゲーム(?)を作りたい」というような事を言っていたのを思い出した。
当時流行りはじめてたパラッパラッパーみたいなもの?と尋ねると、違う、と答えた。話を聞いてみても、音ゲーとは違うし、ただの楽器のようなものでもないらしい。どんなものを作ろうとしていたのかそのときにはうまくイメージできなかったけれど、いまなら少しはわかるような気もする。
■ モンゴル民謡
「だから人は歌うんだ」
僕はふとそう思った。言葉が違い、生まれ育った文化も違う人間同士であっても、共に歌うことによってその場の空気を共有することができる。ただお互いの歌を歌い合い、そこに共通点や違いを見つけだすことによって、相手のことをより深く知ることができる。だからこそ、人は歌をうたうのだと思う。歌わずにはいられないのだと思う。