■ BZ反応
1951年、ロシアの科学者、B. P. Belousovが生物の代謝経路(クエン酸回路/TCA回路)を模倣した化学反応系を考案し、実験を行ったところ、溶液の色が時間的に振動することを発見した。ところが、この現象は当時の常識では考えられないことで、認められなかった。1964年になって、同じくロシアのA. M. Zhanotinskyが追試を行い、この現象が正しいことを確認、さらに、1970年頃には、この化学反応溶液を静かに置いておくと、同心円状のパターン(ダーツ等の的のように見えることからtarget patternと呼ばれる)が発見された。二人の名前をとってこの反応はBelousov-Zhabotinsky反応と呼ばれる。それ以降、興味を持たれて、多くの研究がなされている。
臭素酸ナトリウムなどの溶液を特定の割合で混ぜると、BZ反応(ベロウソフ・ジャボチンスキー反応)と呼ばれる赤と青の色の変化を交互に繰り返す不思議なパターンが生まれる。複雑な化学反応の結果らしい.
uを亜臭素酸の濃度、vを酸化状態の触媒鉄濃度とする。uが増えるとvも増える。しかし、vが増えすぎるとuの増加が抑制される。その結果、
- 1.uは常に一定の割合で増加し続ける。
- 2.uが増えるとそれにつられて時間差を持ちながらvも増えていく。
- 3.vが増えると触媒作用でuの生成が抑えられ、今度はuの割合が減少していく。
- 4.uの割合が減ると、時間差でvも減る。
- 5.vが減った結果、またuが増加し始める。2.に戻る。
上記のような流れで、uとvの割合が周期的に変化することになる。
狐とウサギの生息数グラフみたいな感じ?
uvがそれぞれ活性因子と抑制因子になっていれば、数式の詳細は違っても同じような周期現象が観察できるのではないかと思う。