2006-07-18

ゲームの作り方・売り方 ゲームの作り方・売り方 - Nao_uの日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - ゲームの作り方・売り方 - Nao_uの日記 ゲームの作り方・売り方 - Nao_uの日記 のブックマークコメント

ゲーム関連のいくつかのブログで、マーケティングやプロモーションについての話が出ている。

とりあえずゲームの売り方に関して最近個人的に思ったことを一つ。無理に聞こえよく言えば地に足の着いた、実質的には目先の短絡的な事象についての話題なので、今のプロモーション話の中心はこんなレベルの低い話をしているわけではないのだとは思うのだけど、とりあえずゲームの売り方に関して。まずは「買ってもらう」「興味を持ってもらう」よりも前の段階の、何らかの方法で「知ってもらう」ところから始めなくてはならない、という面もあるのではないか、と。特に続編でない新規タイトルの場合には、内容云々以前にまずはその存在を認知してもらうところから始めなくてはならない。

そのような無名なものを認知してもらうまでの過程では、効果は薄れつつあるとはいえ、現時点ではまだテレビCMなどの興味の有無に関わらず広く目に触れるタイプの媒体も無視できない程度に十分に機能しているのではないかと思う。今年上半期のYahoo!検索ランキングで「ハンゲーム」が「ファイナルファンタジー12」よりもずっと上位に位置しながら着実に順位を上げてきた要因の一つとしてもTVCMの効果は大きいのではないだろうか。もちろん内容が伴っていないものに対してCMを大量投下しても全く無意味だ、という大変ためになる事例は去年いくつも見ることができたし、向き不向きもあるのでいつまでもこれだけに頼るわけにはいかないのだろうけど。

とりあえずそれがテレビCMなのか何か別の方法なのかはともかく、まずはできるだけ多くの人にその存在を知ってもらわないことには、内容を吟味したり、触って評価してもらうためのスタートラインに立つことすらままならない。発売前はもちろんの事、できることなら発売された後にも継続的に、まずはその存在をできるだけ多くの人に広がる形でわかりやすく「知って」もらい、継続的な「興味」をひきつけるような仕掛けを用意したうえで、最終的に購入に値するのかどうかを検討してもらう、というような流れをうまく作っていく必要がある。

何も対処をしなければ世に幾多あるゲームの中に埋もれてすぐに消えてしまうだろうし、そもそも一般的な「ゲーム」そのものに興味を持つ人の層が小さくなりつつある現状では以前と求められるものも変わってきて、いろいろな面に関して昔と同じようなやり方が通用しにくくなってきている。特に昨今のゲーム開発には時間がかかってしまうことも多く、どうしても対応が後手後手に回りがちになることが多いだけに、そのような変化に柔軟に対応するためにも、できるだけ環境の変化に対しては敏感でいるようにしなくてはならない。

また、可能であれば小売店にある程度の数を仕入れてもらうようにすることも、その後の口コミに初速を持たせるためにはそれなりに重要なことの一つであるように思う。店頭に並べられているところから興味を覚える事だってなくはないだろうし、ましてやせっかく欲しいと思ってくれた人がいてもどこにも売っていないので買えない、というような状態ではお話にならない。だからといってタイトルの力以上に無理な出荷をしてしまって値崩れを起こしては元も子もないし、本来これはちゃんと状況に見合ったゲームをタイミング良く出せるなら自然に上手くいくはずの問題ではあるけど。

でも結局のところはどの件に関しても、上手くいかない場合には買ってくれる可能性のあった人たちに「知りたい」「どんなものか見てみたい」「売れそう」などと思わせるようなものが作れなかったという、最終的には開発側の責任に帰結する話になるのだろう。ほとんどの場合、他人の成功例から直接に得られるものはそう多くはないだけに、とりあえず手近な失敗から学べることくらいは、できるだけきちんとその原因や、今後の為すべき対応についてなどを考えておくようにはしておきたい。