■ ファミコン版Wizardry移植時の話
686 名前: イラストに騙された名無しさん 投稿日: 03/02/19 09:35
>>685
記憶だと
Wizardryのオリジナルプログラムはpascal言語で書いてあって
OS自体もWizardryオリジナルのもの。
他のPCへの移植にあたっては、そのPCのDOS上でWIZ-DOSをエミュレートさせた上で
WIzのプログラムを走らせるという手法をとってたわけ。
でアスキーがファミコンへのWizardry移植を企画したんだけど
サーテックとの版権とかの絡みで、契約条件があまりよくなくて
ゲームスタジオとかにも引き合いきたんだけど遠藤も断ろうと思ってたんだと。
そのうえWizのオリジナルプログラマーのアンドリューかロバートが
「パスカルの動かないマシン=ファミコンでは、Wizardryのプログラムは移植できないよ。」
と言ってたらしいんだな。
それを聞いてゲームスタジオのプログラマさんが憤慨。
「どんな言語で書いてあろうと、マシン語で動いてるものが移植できないわけがないだろ!」
ってんでゲームスタジオが移植を引き受ける事になったんだと。
で結果として、世界最速の操作系を持ったファミコン版Wizardryが誕生したってわけ。
その出来にアンドリューも脱帽、「数あるWizの中で一番のお気に入りは?」というインタビューで
「ファミコン版だよ。」と答えた(リップサービスもあっただろうが)って話。
まあ、末弥氏のモンスターデザインのカッコよさも一役買ってたみたいだけど。
■ ゲームスタジオの底力について。
ところでFC版「3」の出来は物凄かった。いや、マジで。
あのバランス感覚のどこからどこまでが移植スタッフの手によるものだったのか、私は家庭用しかやったことがないからよく知らないのだが、「ファミコン版のWizardryは出来がいい」という評価の5割くらいは「3」が占めているのではあるまいか。
「Wizardry」が本来もっている理不尽性(これも味なのだが)をある程度ラッピングして、序盤からのスーパーハードな展開をスムースコート程度に多少軟化。ユーザーを引き込みつつ、後半はザクザクと生の「Wizardry」を詰め込む。慣れた頃に程よく出てくる強力なアイテム達と、マイルフィックやフラック、サイデルだのアイアンジャイアントだの、とにかく山の様に出てくる終盤の強力な敵たち。どれだけ強くなっても地下6階の探索には常に死の危険が伴ったし(ポイズンジャイアントの大軍に先制攻撃されたりとか)、一方でどかっと経験値を稼ぐ楽しみも味わえた。ありとあらゆるWizardryの楽しみを内包したFC版「3」は、確かに家庭用業界におけるWizardryの、一つの完成形だったのである。
音楽やグラフィックについても言うに及ばない、とは思うが、私は実はシリーズを通してこの「3」の音楽が一番好きだったりもする。特にオープニングの重厚な曲調から、訓練場やギルガメッシュの酒場などのライトな曲調への移行などは今でも耳に残る。元来PC版WizardryにはBGMがなく、移植の際に「音つきなど邪道」と考える原作スタッフがいたが、FC版のあまりの出来に降参せざるを得なかった、などという話も聞く。長いゲームの間ずっと聴き続けても飽きることのない、まさに「必要十分」なBGMの典型だったと言っていいだろう。
■ GB版 Winzardry 外伝II -古代皇帝の呪い-に関する、よもやま話
外伝IIの終盤に至るまでの絶妙なゲームバランスはとても印象深い。あれがこんな苦労の末に作られたものだったとは。ワイヤーフレームの黄泉の世界はほんとに怖かった。それと比べると外伝IIIは・・・。